トラブル |
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■カンボジアの場合 |
盗難やバイク転倒ということはあったが、命の危険にさらされるような致命的なトラブルはなかったのは運が良かった。今回はボクが直接、または間接に聞いた旅行中のトラブルの話。 カウボーイハットをかぶった彼とはベトナム[Vietnam]のフエ[Hue]で会った。ニャチャン[Nha Trang]のビーチで焼けたという彼の背中はすでに2回も脱皮して、はがれた10センチ四方の皮を見せては皆を驚かせていた。年齢は20台半ばから後半くらい、背が高く筋肉質のスポーツマンタイプ。調理師免許を持っていてホテルで何年か働いていたが、今度は違うことをしたいと旅に出た。 カンボジア[Cambodia]のプノンペン[Phnom Penh]で夜遊びをしようと現地人に声をかけ、そういう場所に連れて行ってもらうことにした。まずカラオケ屋に連れていかれた。なかなか女の子が来ないのでおかしいなと気付いた時はもう遅かった。こちらは男3人、殴り倒してでもここから抜け出そうと考えていた矢先、約10人ほどの現地人が斧!や棍棒を持って押し入ってきた。持っていたナイフ程度では相手にならない。おとなしく引き下がって金を払い、身体の安全を守った。 同じプノンペン[Phnom Penh]で、ある1人は「人が撃たれるところを初めて見た」と言った。この国では、夜寝ていると銃声らしき音が聞こえてくることが少なくない。まだ治安が良いとは言えないのだ。撃たれた人は即死。警官が犯罪者を撃ったのだった。 アンコールワット[Angkor Wat]の起点となる街シェムリアプ[Siem Reap]へは、タイ[Thailand]のバンコク[Bangkok]からツーリスト向けの国際バスがある。しかも5$〜10$と安い。そういう寝ていれば着くような乗り物では旅の趣がないという気持ちはよくわかる。めんどくさいが自分自身で交渉してローカルの電車やバスを乗り継いで国境を自分の足で越えてみたいのだ。だが裏目に出た。国境に着いた時すでに日暮れとなりピックアップトラックもない。仕方なくそこにいた現地人の乗用車に乗せてもらうことにしたがこれが罠だった。途中まで片言の英語で会話をして仲良くはなったのだが、街へ着く数十分前で道を折れ暗い山林で車を止められた。車内で銃を突き付けられ全て出せと言われた。命あってこそとされるがままになった。が、ご丁寧に街までは送ってくれた。パスポートと10$は返してくれた。とりあえずの今夜の宿代ということだったようなので完全な悪人というわけではないらしい。信頼できそうだと思ったのに裏切られたその精神的ショックは大きかった。 彼はボクと同じタケオゲストハウス[Takeo Guest House]に泊まり、年配の日本人にお金を借りることになった。帰国したら必ず返すと約束して。ボクは助けてあげたいという気持ちもあったが所詮他人事。この先まだ長そうな旅行のためお金を削るわけにいかなかった。心が狭い。 |
■タイの場合 |
ラオス[Laos]のムアンシン[Muang Xing]で会ったサチは英語堪能でちょっと遅い卒業旅行を一人で楽しんでいるように見えた。彼女に薦められたタイ[Thailand]・チェンコン[Chiang Khong]のSPゲストハウスに泊まっていたヒロコさんに話を聞くと、サチはタイで殺されかけたのだという。 朝3時から6時という早過ぎる時間に開かれるモーニングマーケットに行きたかった。前日にバイタクを頼み、深夜に出発した。がしかし目的の場所とは全く異なる山の中へ連れて行かれ首を絞められた。どうやって助かったかは不明。犯人も捕まっていない。サチの首には青黒い跡があった。その時は泥汚れでも付いたのかな、と思い特に気にはかけなかったのだが。跡が残るほどの強い締められ方は想像するだけで呼吸が苦しくなる。 タイ[Thailand]で最初に訪れたカンチャナブリ[Kanchanaburi]で親切な一家と仲良くなり、自家用車で滝に連れて行ってもらい、夕食をごちそうしてもらい、宿にまで送り届けてもらった。そんな経緯があればどんな人でもタイ人を信用することになるだろう。比較的治安がよく人柄も穏やかなタイ[Thailand]でトラブルに遭うのは運が悪いというしかない。殺人未遂にあっても帰国しようとせず、せっかく来たのだからとその後ラオス[Laos]、ベトナム[Vietnam]、カンボジア[Cambodia]を周ろうとするサチは強い。 たびそらの三井さんは、香港[Hong kong]で賭博詐欺に遭い走って逃げ、難を逃れた。最初に降り立った土地でどんな経験をするかでその後の心の持ちようが変わるのではなかろうか。 |
■インドの場合 |
カンボジア[Cambodia]のシェムリアプ[Siam Reap]で会った女の子は、初めての海外旅行が19歳でインド[India]だった。そこで40度以上の高熱にうなされ起き上がることもできなくなった。少し熱が治まったところで病院へ行くと、診断は腸チフス。腸に穴が空く大病。衛生の悪い食べ物や飲み物が原因らしい。3週間入院したあとで帰国。10代で死ぬなんて親不孝なコトはできないと気を張って乗り越えた。それでもまた旅行に来ているとは。 |
■ベトナムの場合 |
山さんからの又聞き。 ある青年がベトナム[Vietnam]のハノイ[Hanoi]でうなだれていた。誰かに話したい、声をかけてもらいたいという雰囲気だった。訳を聞けば、ガイドブックも載っているくらい有名なブラックジャック詐欺にかかったというのだ。手口はこうだ。 「日本で弟が勉強している。手紙を日本語で書きたいのだが教えてもらえないか?」などとそれらしい話で車に乗せ、ごちそうしたりして自宅に誘う。頃合いを見計らい、「今から金持ちが来る。必ず勝てるイカサマを教えるから一緒に巻き上げてやろう」と持ちかける。相手と自分のカードがわかるのだから負けようがない。何度も勝ち続けて最後の大勝負というところでトリックを使い一発逆転!となる。彼は金を引き落とさせられほぼ全財産を失った。そんなハズはない、そんなハズはない。と宿に戻った後もダマされたことが信じられなかった。行くあてもなく途方に暮れていた。 ヒロコさんの体験。国境からハノイ[Hanoi]へ行くバスを探していた。初めて訪れた国では物価はわからないが、20$というのはどうも法外な値だ。周りの客に聞いても、皆その値段で問題ないと答える。なんとそのバスは乗客ごと全員グルだったのだ。彼女はそれでベトナム[Vietnam]が嫌いになった。ちなみに列車だと、ラオカイ[Lao Cay]⇒ハノイ[Hanoi]が5万5千D(≒400円)だった。 |
■ラオスの場合 |
ムアンシン[Muang Xing]に着くと、いきなり宿のおばちゃんにこれを読めと情報ノートの開いたページを見せられた。そこにはガンジャ詐欺にかかった話と忠告が書かれていた。一応麻薬の一種なのだがこの国では多くの旅行者が吸っていて、それで現地人が潤っている部分もあるのであまり問題にはなっていない。 ある男がハッパあるよ、と安値で売ろうと寄ってくる。買った旅行者の宿に警官が夜遅くやってくる。この匂いはなんだ? と連行される。釈放して欲しければ500$払え!と言う。もちろん最初の男とこの警官はグルだ。この手で何人もの旅行者が捕まったという。ある国では所持しているだけで死刑になるというから、お金で済んだだけマシなのか。 |
■インドネシアの場合 |
ボクはインドネシア[Indonesia]のカラバヒ[Kalabahi]で初めて身の危険を感じる出来事があった。次の船が来るまで4日あった。暇なので丘の上へ登ってみることにした。鮭の口が開いたような形の島の喉元に町はある。高い所から見ればそれなりの景色が期待できそうだ。たまにバイクの通る蛇行した道を2時間ほど登ってみたがまだ頂きは見えない。白いベモが降りていき、停止したかと思うとバックして近づいてくる。無視して歩いていると、数人の男が降りてきて、どこへ行くんだ? と聞いてくる。散歩と適当に流して歩き出すと、そっちには何もないコレに乗れと強制する。いや乗らなくていい、と車の通れない山道をショートカットしながら登り始めた。男2人が追いかけて来てボクをちからづくで引っ張り降ろして道路まで引き戻す。必死にこらえるがベモの中へ押しこまれる。1人の蹴りが鼻先をかすめ、1人は棒切れを持っている。旅行者もいないこんな田舎でついに被害に遭うのか、どこへ連れていかれるのだろう? いくら取られるのだろう? と顔は平静を装っていたが心は恐怖で歪んでいた。 数分後、山を降り町へ着くと何事もなく降ろしてくれた。お金も請求されない。??? ただの親切だったのか? あの彼らの必死さはいったい何だったのか? 文化の違いはボクの理解を超えているようだ。 |
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