論理哲学論考 1-7 5.1-5.6 5.51-5.55 5.521-5.526
      
5.526 ひとは完璧に一般化された諸文によって世界を完全に記述し得る。つまり、そもそも何か或る名称を特定の対象に対応づけるようなこと無く。
さらに通常の表現法に到るためには、ひとは「・ ・ ・ のようなただひとつの x が存在する」というような表現のあとに、そしてその xa である、と言う必要があるだけだ。
5.5261 完璧に一般化された文は、他のあらゆる文と同様、合成されている。(このことは、我々が「(∃x, φ ) . φx 」において「φ 」と「x 」に別々に言及する必要がある点に自ずと顕現する。どちらも、一般化されていない文においてと同様、独立して世界との表示関係に在る。)
合成されたシンボルの徴: それは何かを他の諸シンボルと共有している。
5.5262 どんな文の真偽も世界の一般的構造がもつ何かを変えるのだ。そして、基本的文の総体によって世界の構造に許容される遊びの範囲それこそが、全く一般的な文全般が劃すものだ。
(或る基本的文が真であれば、それとともに少なくとももうひとつの基本的文が真だ。)