論理哲学論考 1-7 5.1-5.6 5.11-5.15 5.131-5.136
      
5.136 そうした推論を正当化するような因果連鎖なるものは存在しない。
5.1361 我々は、未来の出来事を現在の出来事から推定することはできない。
因果連鎖への信頼が迷信だ。
5.1362 意志の自由は、未来の行動が今現在は把握され得ない点に在る。我々が未来の行動を把握し得るのは、因果が論理的推論の必然性のような内的必然性であるとき、ただそのときだけだろう。――把握と把握されていることがらの関聯は、論理的必然性の関聯だ。
(「A は p が成り立っていることを把握している」は、p がトートロジーの場合、無意味だ。)
5.1363 ひとつの文が我々にとって明白であることから当の文が真であることが帰結しないならば、その明白さは、当の文の真理性への我々の信念に対する何の正当化でもない。