論理哲学論考 1-7
      
4 思考〔der Gedanke〕は有意味な〔sinnvolle〕文だ。
〔4.0 という番号をもつ文は存在しない。〕
4.01 文は現実の像だ。
文は現実の模型であり、我々は現実をそのように思い浮かべる。 〔4.011-4.016
4.02 そのことは、我々が文記号の意味〔Sinn〕を、それが説明されたことが無くても、理解することから判る。 〔4.021-4.027
4.03 文というものは諸々の古い表現によって新たな意味を伝えざるを得ない。
ひとつの文は我々に何らかの状況を伝える。だから、それは当の状況と本質的に関聯しているはずだ。
そして、それが当の状況の像であることこそが、その関聯だ。
文は、ただそれが像である限りにおいて、何ごとかを言明する。 〔4.031-4.032
4.04 文にはそれが表わす状況にとちょうど同じだけの区別がつけられ得るはずだ。
それらは両方とも同じ論理的(数学的)多様性をもっているはずだ。(動力学的諸模型については、ヘルツの力学を参照せよ。) 〔4.041
4.05 現実は文と比較される。
4.06 文は、もっぱらそれが現実の像であることによって、真ないし偽であり得る。 〔4.061-4.064