論理哲学論考 1-7 4.01-4.06
      
4.03 文というものは諸々の古い表現によって新たな意味を伝えざるを得ない。
ひとつの文は我々に何らかの状況を伝える。だから、それは当の状況と本質的に関聯しているはずだ。
そして、それが当の状況の像であることこそが、その関聯だ。
文は、ただそれが像である限りにおいて、何ごとかを言明する。
4.031 ひとつの文においては、何らかの状況が謂わばサンプルとして構成される。
ひとは、この文はしかじかの意味をもつと言う替わりに、この文はしかじかの状況を表わしていると直截に言うことができる。 〔4.0311-4.0312
4.032 文は、もっぱらそれが論理的に組み立てられている点において、何らかの状況の像だ。
(「Ambulo」〔「私は歩き廻る」というほどの意味のラテン語の一語文〕という文さえ合成されている。その語幹は他の語尾とともに、そして、その語尾は他の語幹とともに、別々の意味を齎すのだから。)