論理哲学論考 1-7 3.1-3.5 3.11-3.14
      
3.14 文記号は、その諸要素、諸単語がそこにおいて一定の仕方で互いに係り合っている点に依拠している。
文記号は事実だ。
3.141 文は単語の寄せ集めではない。――(音楽的主題が音の寄せ集めではないように。)
文は分節されている。
3.142 事実だけが何らかの意味を表現し得る。名称のどんなクラスにもそれは為し得ない。
3.143 文記号が事実であることは、筆記なり印刷なりの通常の表現形式によって覆い隠される。
というのは、例えば印刷された文においては、文記号は単語と本質的に異なっては見えないからだ。
(だから、フレーゲが文を合成的名称と呼ぶことも可能だった。) 〔3.1431-3.1432
3.144 状況をひとは記述することはできる。名指すことはできない。
(名称は点に似ている。文は矢印に。それは意味〔Sinn〕をもつ)