ゴア
gore

 英語で「血糊」を意味する言葉です。血糊を大量に使う映画、殺戮シーンの多い映画を「ゴア映画」と言います。日本でよく使う「スプラッター映画」という言葉は英語ではあまり言わず、「ゴア」という言い方の方が多いようです。厳密に言えばゴアとスプラッターは違うのでしょうが。

top  index
 
『ゴシカ』    
Gothika

 ダーク・キャッスルの4本目。これがマチュー(マシュー)・カソビッツの芸風なのかもしれませんが、深刻にして退屈なお話です。
 精神科医ミランダは少女の霊に憑依され、心神喪失状態で夫を殺害。自分の職場であった精神科刑務所に入れられてしまった。幽霊はその後も頻繁に現れ、ミランダに自分を殺した犯人を告げようとする。

top  index
 
『古城の亡霊』    
the Terror

 ロジャー・コーマン監督。ジャック・ニコルソン、ボリス・カーロフの競演以外に見所なし。
 19世紀初頭。道に迷ったフランス軍中尉アンドレは、謎の美女を追ってレッペ男爵の城へ向かう。女は20年前に死んだ男爵夫人の幽霊だと説明されるが、本当はそっくりな別人で、男爵への復讐のために魔女が操っているらしい。20年前の事件の真相とは…。
 男爵夫人の幽霊の正体が結局よくわからなかったのですが、アンデッドではないのかもしれません。

top  index
 
『ゴースト・アーミー 怨霊部隊』    
the Supernaturals

 アーマンド・マストロヤンニ監督。地味でパッとしない映画。
 訓練中の米陸軍がゾンビたちの襲撃を受け、一人また一人と殺されていく。ゾンビは南北戦争時代に北軍に虐殺された南軍兵士だった。
 南北戦争のとき、一人の超能力少年の力で母親は不老不死となり、死んだ南軍兵士たちはゾンビとなります。この少年が現代(老齢)まで生き延びてゾンビを使役していたのですが、父親に似た兵士に説得されてゾンビをディスペルし、自分も息を引き取りました。

top  index
 
『ゴースト・イン・京都』    
the House Where Evil Dwells

 怪獣SF映画の監督として知られるイギリス人、ケビン・コナーが日本で撮った幽霊映画。日本の文化や習慣の描写はわりと正確で、「間違った日本観」を楽しむ用途には使えない作品です。
 アメリカ人作家の一家が京都の旧家に引っ越してくる。しかしその家は江戸時代、不貞の妻と間男を斬り、自分も切腹した侍の家だった。3人の幽霊に祟られ、一家は崩壊していく。近所の禅僧が調伏を試みるが…。
 武士の妻が間男(夫の弟子)の気を引くために魔女の力を借り、それが原因で3人は幽霊になったようです。現代、妻は憑依されて不倫し、娘は巨大な蟹に襲われ、夫は伊勢で海女の幽霊に捕まって溺れかけたり、憑依されて妻や間男(領事館員)を斬り殺したりします。注目はこの蟹で、ヘイケガニの伝説をモチーフにしているのだろうと日本人なら辛うじて気付くのですが、玩具の蟹から逃げ惑う子供の姿はかなり滑稽です。

top  index
 
『ゴースト・インフェルノ』    
Dark Tower

 ケン・バーネット監督(この人は実在せず、本当はケン・ウィーダーホーン、フレディ・フランシスの2人が監督らしい)。スペイン映画。まさかと思って見ておりましたが、最後まで火災は発生しませんでした。恐るべき邦題です。
 バルセロナの高層ビルで連続怪死事件が起こる。女性建築家の死んだ夫が幽霊になって祟っているらしい。霊能力を持つ警備員と心霊学者が調査に乗り出した。
 幽霊はポルターガイスト現象を起こし、生者に憑依します。終盤にはミイラ化した死体も登場します。

top  index
 
『ゴーストキラー』    
the Ghosts of Sodom / il Phantasma di Sodoma

 ルチオ・フルチ。意味がわからないのはいつもどおりですが、残酷描写がない上、らしからぬハッピーエンドに思わずため息の漏れる駄作。
 道に迷った男女6人が空き家らしき城館に迷い込む。しかしそこは50年前、ナチ将校たちが酒池肉林の乱交を繰り広げた場所だった。6人は閉じ込められ、ナチや女の幽霊たちに遭遇する。
 考えてみたのですが、どうも本当は館は爆撃で瓦礫と化しており、ナチらの残留思念が館そのものを幻として見せていた、というオチのようです。

top  index
 
『ゴーストシステム』    
Ghostsystem

 もともとネット配信用のショートフィルムだったものを、長編にしてビデオ化したもの。長江俊和監督。
 麻衣が失踪して1ヶ月。親友美沙紀と彼氏の日暮先輩の元に、麻衣からメールで森の写真が届いた。二人がその森に行ってみると、廃墟に霊と交信する施設が隠されている。そして装置を作動させると、麻衣の幽霊が現れた。麻衣は死んでいたのだ。
 要するにアイドルビデオなわけです。10分で事足りるストーリーに、若い男女が森だの廃墟だのを歩き回るだけの映像を繋ぎに繋げて70分。何がシステムだか。いや、「システム」好きにはイケる作品かもしれませんけれども。

top  index
 
『ゴーストシップ』    
Ghost Ship

 スティーブ・ベック監督。ダーク・キャッスル・エンタテイメント(ゼメキス、シルバー)の製作。
 40年前に忽然と姿を消した豪華客船アントニア・グラーザ号が、ベーリング海の公海上で発見された。乗り込んだサルベージ船のメンバーは、大量の黄金と乗客船員の幽霊を発見する。黄金をめぐって争いがあったらしい。だが真相はもっと複雑だった。幽霊船は悪魔の狩場と化していて、船が沈む日まで死者の魂は船内をさまよい続ける運命なのだ。
 もうこの手のCGには驚きませんが、鮮烈&残酷な回想シーンにはちょっと感動。

top  index
 
『ゴースト ニューヨークの幻』    
Ghost

 ジェリー・ザッカー監督。大ヒットした恋愛映画。パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグほか。
 ニューヨークの証券マンであるサムは、路上で強盗に殺されて幽霊となる。やがて自分の死が偶然ではなく周到に計画された殺人だったこと、恋人モリーにも危険が迫っていることがわかった。しかし自分の存在はモリーには感知できないのだ。サムはインチキまじない師オダ・メイの力を借り、なんとかモリーにそのことを伝えようとする。
 恋愛ものであると同時に幽霊探偵ものでもあります。最初は限られた霊能力者に声を伝えることしかできませんが、後半サムは修行して物を動かすことが出来るようになります。善人は死んですぐ光と共に天に召され、悪人は数体の死神にさらわれていきます。一部の現世に未練のある者だけが幽霊としてこの世に残るようですが、さすがは大都会。多数の幽霊が市内あちこちにうようよしています。

top  index
 
『ゴーストハウス』    
Ghosthouse / la Casa 3

 ウンベルト・レンツィ監督。素人っぽい演技と脚本の拙さ、全体的な低予算風味が悲しいものの、映像面では一生懸命知恵を絞っているのがわかる作品です。
 殺人現場の悲鳴を受信したアマチュア無線愛好家の若者が、発信源の空家を調査する。そこは20年前から少女の幽霊に祟られていて、若者たちは次々に殺戮されていく。
 死者から副葬品のピエロの人形を奪い、少女に与えたことでその少女は呪われ、殺人鬼になり死後も幽霊になって人をとり殺すようになった、という設定です。しかし細かい謎は全く明かされません。町を徘徊する狂った老人の方が、むしろ怖いのではないでしょうか。

top  index
 
『ゴースト・ハウス』    
Ghosts in Edendale

 ハリウッドに引っ越してきた夫婦。脚本家の夫は次第に様子がおかしくなる。この土地に住んでいた往年の映画スターに憑依されたらしい。
 自主映画にしてはきちんと作ってありますが、それゆえに勢いのようなものはなく、何ら魅力のない作品になっています。

top  index
 
『ゴースト・パパ』    
Ghost Dad

 シドニー・ポワチエが撮ったコメディ映画。ビル・コスビー主演。
 妻を亡くして以来仕事に育児に大忙しのパパが、ひょんな交通事故で死んでしまいます。幽霊として活動できるわずかな時間を使って、大事な商談をまとめたり、生命保険に入ったりしようとしますが、一番大事なのは家族の絆だと気づくのでした。子供向けのホームドラマです。
 この作品の幽霊は、明るいところでは見えず、暗いところでは人間と同様に見えます。壁など物体は透過してしまいますが、念力を使えば物を持ったり服を着たりもできます。浮遊、飛行ができ、電話線を伝って電送することもできます。真面目に設定しているとは思えません。
 『ツインピークス』ファンはダナ・アッシュブルックが出演しているので要チェック。

top  index
 
『ゴーストハンターズ』    
Big Trouble in Little China

 ジョン・カーペンターのバカ映画。カート・ラッセル主演。カーペンターはバカの高みに達する才能を持っていると思うのですが、この映画のバカさはちょっと中途半端です。作品を通じてエロさが全くないのも深刻な欠点でしょう。
 ジャックはトラッカーだ。友人ワン・チーの婚約者ミャオ・インが妖術師ロー・パンに誘拐され、ジャックとワン・チーはサンフランシスコの中華街に向かう。そこでは善と悪の結社が抗争を繰り広げていた。2人は善の一味や人身売買組織を追う女弁護士グレーシーらと共に、ロー・パンの魔窟に潜入する。ジャックは奪われたトラックを取り戻せるのか。…と書くとまともなプロットがあるように見えるかもしれませんが、実際には何が起こっているのか理解できません。中華街の地下の巨大ダンジョンで、香港武侠映画から出てきたような連中がひたすら戦うのですが、主人公はほとんど出番がありません。
 ロー・パンは始皇帝の呪いで肉体を失い、2500年間幽霊として暮らしてきました。彼は緑の目の女(ミャオ・イン)と結婚の儀式をすれば、肉体を取り戻し、宇宙を支配する力を得られるのです。普段は老人の姿で中華街の黒幕をしていますが、戦闘になるとガス状(には見えないけど)の妖術師の姿で登場し、目と口から怪光を発します。幽霊の間は無敵でしたが、肉体を得た途端にジャックの投げナイフで殺されます。他にも謎のモンスターが多数登場します。

top  index
 
『妖怪天国 ゴーストヒーロー』    

 手塚眞監督。出演は草刈正雄、伊武雅刀など。前作『妖怪天国』との関連性は謎。
 舞台は現代、亡霊を封じた森の跡地に建てられたビル。石碑に処女の血がかかり、封印を解かれた亡霊は、妖刀を手にした者を操って「亡霊将軍」に変える。これに立ち向かうのは、森の領主の子孫にしてそこの会社の研究員。さらに妖怪、ゲームキャラのホログラム、それと処女。
 ジャンル的には手にした者を操る「呪いの刀」の物語です。この作品がユニークなのは、その操られた者が「亡霊将軍」という幽霊武者風の姿に変わることでしょうか。亡霊というからにはアンデッドなのでしょうが、詳しいことは語られません。
 90年前後という時代に固有な出演者、服装、演出方法などなどが興味深いのですが、驚いたことに、当時なら観客に「面白さ」要素として伝わったはずの「伊武演じるエキセントリックなキャラ」「ラッキィ池田の妙な動き」「ハイテクビル(死語)に古い森が現れる異次元空間」「刀で人体がスッパリ切れる」「CGキャラが物質化」「ゲーム用コントローラ(パワーグラブですが)でヒーローを操作」「処女探し」「巨大桐島かれん」などなどが今見ても全く面白くありません。面白さの基準など10年で様変わりするようです。映画全体としては当時でもつまらなかったんだろうと思いますけれども。ちなみに主題歌は江口洋介、ビデオパッケージの惹句は「これは、もうハンパじゃない」でした。

top  index
 
『ゴーストマンション』    
Sightings: Heartland Ghost

 テレビ映画。ブライアン・トレンチャード・スミス監督。
 ポルターガイスト現象に悩むカンザスの夫婦が、テレビ番組に調査を依頼した。調査が進むにつれ幽霊の正体が明らかになる。それは百年前に殺された、黒人男性と白人女性の娘だった。
 ミステリーやホラーよりも、懐疑派のディレクターと霊媒師のやりとりとかを楽しむべき作品だと思います。

top  index




| HOME | top | index | e-mail |

Copyright (C) 2001-2005 墓守 All rights reserved.
ichien@bird.zero.ad.jp