『沖縄怪談逆吊り幽霊 支那怪談死棺破り』    

 小林悟、邵羅輝監督。大蔵怪談映画の第1作。前半が支那怪談、後半が沖縄怪談です。日本台湾合作。
 病で死に瀕した健生は、妻玲子と運転手大場の仲を疑っていた。そこで玲子に「死棺破り」の話をする。中国の道士荘周は仮死状態になり、死後すぐに王子と結婚した妻をなじるために甦った。王子も荘周が化けた姿だったのだ。この話を聞いた玲子は、自分の美貌が夫を嫉妬に狂わせていると知り、顔面を石で砕くのだった。これで健生は全快したが、今度は醜くなった玲子を疎んじ、大場ともども玲子を殺し、遺産を手にして愛人朱美と再婚する。だがその後、健生、朱美と下手人伊波の前に幽霊が現れるようになる。
 「沖縄怪談」と言いつつロケ地もキャストも内地にしか見えません。話の筋は四谷怪談のもじりです。「支那怪談」の方も別に中国の原典があるわけではないのでしょう。こちらは一応何人か中国人らしき人が出演していますが。

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『おじゃまユーレイくん』    

 よしかわ進。コロコロコミック黎明期のマンガ。
 主人公の友紀霊次郎は小学5年生。交通事故で死亡するが、手違いから幽霊になってしまう。幽霊としての彼は人や動物に憑依して操れるほか、物質を透過したり瞬間移動したりできる。ストーリーは、霊視能力を持つ少女、山野こだまを相手に好き放題する前半と、女悪魔ベルと冒険の旅に出る後半に大別される。
 子供の頃はエッチなマンガという認識でしたが、今読むと小学生の話だけに大してエッチでもなく、むしろ話し相手(霊視できる人)の少なさからくる霊の孤独、家族や友達に徐々に忘れられていく死者の寂しさといったものの方が印象に残りました。

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『鬼喰う鬼』    
Encounter of the Spooky Kind 2 / 鬼咬鬼

 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)製作・主演。劉観偉(リッキー・ラウ)監督。共演は林正英(ラム・チェンイン)など。
 主人公の青年ポウ(寶)は叔父の道士カウ(九)と共に、婚約者チュウ(朱)を狙ういやみな金持ちシイ(史)および黒幕の法師と法術で対決します。相変わらず話は複雑。結局カンフーがみどころというのも相変わらず。
 心の優しい女幽霊が一番フィーチャーされていますが、キョンシーが阿片を吸ったり、死体の口にゴキブリを詰め込んだらゾンビ状のモンスターになったり、あとミイラとか、口から毒ガスを吐くようなやつとか、いろいろです。

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『陰陽師』    

 夢枕獏の小説を滝田洋二郎監督で映画化。豪華絢爛モブシーンがないのがエンターテイメントとしては弱いのですが、十分満足できる作品です。野村萬斎の安倍晴明をはじめとするキャストがなかなかで、全体的にNHKのドラマを上回る出来栄えと言えるでしょう。陰陽道マニアにとってはちょっと基本過ぎて物足りないかもしれませんが、晴明の物語が映画になったのは記念すべきことかと思います。前半で「呪(しゅ)とは何か」「式神とは何か」と現代人向けに科学的に丁寧に説明していたのに、結局はワイヤーで飛んでしまう晴明が、ちょっと可愛らしかったです。
 冤罪を着せられて憤死した早良親王(桓武天皇の弟)の怨霊が、陰陽頭(おんみょうのかみ)道尊の呪術により甦る。それと戦う晴明、博雅コンビ、というお話。早良親王以外にも無数の怨霊が墓場から動員されますが、全部黒い煙のようなものとして描写されています。また、親王を封印するために人魚の肉を食って不老不死になった女、青音(あおね)というのも登場します。

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『陰陽師II』    

 滝田洋二郎監督、江良至脚本、夢枕獏原作。出演は野村萬斎、伊藤英明。
 貴人を食う鬼の正体は、出雲王幻角(中井貴一)の息子須佐(市原隼人)だった。幻角は国を滅ぼした大和に復讐するため、息子須佐と娘日美子(深田恭子)をスサノオに捧げたのだ。日美子を食った須佐はスサノオと化し、京都を壊滅する。…とにかく無茶苦茶な脚本。歴史も神話も地理もあったもんじゃありません。晴明の行動も「それが陰陽師のすることか?」と疑問に思うことしきり。萬斎ファンは納得してるんでしょうか?
 出雲王妃月黄泉(古手川祐子)の幽霊が出てきます。

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