JR207系1000番台

 207系はJR東西線用に製造された形式です。JR東日本にも国鉄末期に製造されたVVVFインバータ試作車207系900番台がありますが、外見も仕様も全く違います。

 207系1000番台はJR西日本の直流区間ならどこでも走れる通勤電車として、0番台から細部の設計を見直したうえで1993年に登場しました。モーター出力も0番台の155kwから200kwにアップ、制御装置もGTOサイリスタに変更されています。最高速度は0番台と同じく120km/hですが、JR東西線区間は剛体架線式のため最高速度が90km/hに制限されています。

 登場時はM車1両にパンタグラフ1基でしたが、JR東西線開業後は剛体架線区間でのパンタグラフの離線対策として第2パンタグラフが設置されています。このパンタグラフを使用するのは基本的に剛体架線区間のみで、他区間では1基畳んだ状態で走行します。

 207系は、1000番台の登場時は0番台も含めて2連、3連、4連、6連と編成に様々なバリエーションがあり柔軟な運用を組んでいましたが、JR東西線開業後は7連運用が基本なため全て3連と4連に組み替えられています。

製造初年(1000番台):1993年(平成5年)、基本番台は1991年 制御方式:GTO素子使用VVVFインバータ制御

JR207系2000番台

 207系2000番台はJR東西線の輸送力増強のための列車本数の増加に伴って増備されました。1000番台との主な変更点としては、制御装置がVVVFインバータの素子をGTOからIGBTに変更されたこと、台車の軸バネがゴムバネからコイルバネに変更になったこと、転落防止幌が取り付けられたこと、車椅子スペースが設置されたこと、運転台の計器類がデジタル式からアナログ指針式に戻されたことなどです。

 全体的に223系2000番台との共通化が図られており、コストダウンされています。今後普通列車の最高速度向上のために201系205系を置き換えることになりますが、そのときは新形の321系が製造されることが決定しました。従って、2000番台の増備はもう無いと思われます。

製造初年(2000番台):2002年(平成14年) 制御方式:IGBT素子使用VVVFインバータ制御

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