市場で買い物を1991年3月5日(その3)

市場の賑わい



  しばらく部屋で休み街に出る。再び国際市場へ行く。すごい人出だ。活気がある。鞄を探す。しかしほとんど値札がない。洋服やら日用雑貨やら、品物はいろいろあるが、ほとんど値札がない。これは困る。言葉がわからないのに値段を聞き、まける、まけないなどと交渉していくのは、この慌ただしい市ではかなり大変だ。値札のある鞄屋があった。リュックが、1万6500ウォンもする。日本円で3300円。日本だったら8千円位の品物だろうか。韓国の物価(注・14)を考えると、あまり安いとは思えない。リュックの相場がよくわからないので他をまわることにする。うろうろしてると日本語で声を掛けられる。「もしもし、こんにちわ」。鞄などを売っている店の店員からだ。ちょっと覗く。あれこれ値段を聞く。「あれは?」「2000」。「その黒いのは?」「3000」。3000ウォンは600円。安い、安すぎる。鞄をリュックにするとしたら、小銭を出し入れする小さい鞄も必要だ。ウェストバッグを見せてもらう。リュックに合わせて黒いのにしよう。「これいくら?」「2000、だけれど、リュックを一緒に買えば1000でいいよ。」リュック買ってウェストバッグ買って4000ウォン。日本円で800円とは安い!と思いつつ4000ウォン出すと、店員、いきなり大きな声で、「違うよ、違うよ!」と叫ぶ。びっくりしていると、「3000ウォンのリュックなんてないよ。3000円よ!」 とおっしゃる。なるほど、こういう市場では、円が使えることがあると聞いていたが、かなり日常的なことらしい。結局リュック2000円にしてもらい、リュックとウェストバッグを合わせて3000円で買う。



  実は韓国の安い物価を当て込んで、買い替えるつも りでぼろぼろの鞄や靴で来たのです。この市場でリュックを買いました。リュックは、まあまあ安くなりましたが、ウェストバッグは日本と同じ位で、むしろ、100円均一の簡単なもので良ければ日本の方が安かったりします。
 それにしてもこの後、やたらと日本語の客引きにあいました。特に革ジャン屋はしつこいので閉口します。どこでどう見分けるのか、こっちが日本人であることに気づくとすぐに声を掛けてきます。「もしもし、お尋ねします」というのは彼らの常套句で、『尋ねられたんだから答えなくっちゃ』なんて親切心を出して「何でしょう?」などと答えようものなら彼らの思う壷です。市場などでは値札が無いので自分の納得できる値段に交渉しなければならなかったので結構疲れました。
 市場を出た後、食堂で適当なものを食べ、郵便局で切手を買い、おやつとコーヒーを買って宿に戻りました。

注14・韓国の物価
詳しい数字は分からないが、日本の 1/3〜 1/5位ではないだろうか(1991年当時)。だから、リブサンド が950ウォンの場合、そのままのレートなら、 190円となるが、実質的には600円以上の感覚。

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