◆下関を出航◆1991年3月3日〜4日

 1991年3月3日、早朝、僕は青春18きっぷを使って下関に向かい出発しました。
下関まで各駅列車で行く予定です。出発の直前まで徹夜でマジックの仕込みをやっていたので、車中ではほとんど眠っていました。夜、三原に着き、ここで一晩野宿。南の方が暖かいと思いきやとんでもなく寒く、うとうとしたかと思うと十分もしないうちに尿意をもよおし目が覚める、ということを繰り返してしまいました。そうして朝を迎え、一番の電車で下関へ向います。昼、下関に着きフェリーターミナルで、船のチケットを購入。予約をしてなかったのでチケットがすぐに買えるのかどうか心配でしたが、修学旅行などとぶつからなければ、行けば買えるようです。まだ誰も来ていない様子でした。その後立ち食いそばで、山菜うどんを食べ、近くの旅行会社で、傷害保険(注5)に入りました。
下関のターミナル フェリーの外廊下
下関のターミナル フェリーの外廊下




 11時すぎついに下関到着。12時頃フェリーのチケット買う。学割で2割引き、片道6800円也。昼飯後、駅構内の旅行代理店にて保険に入る。なるたけ掛け金を抑える。そのあと本屋へ行き韓国語の会話集(注6)を購入。船の中で覚えよう。
 フェリーターミナルへ戻ると、荷物抱えたおばちゃん達(注7)でいっぱい。夕方ごろから出国。出国審査を終えて船に乗る。ザコ寝部屋、運び屋のおばちゃん達でいっぱい。日本人学生らしき人を探してウロウロする。下の階で、日本人大学生2人組のボックスに転がり込む。名古屋の方から来たらしい。ひとりは、南こうせつに非常によく似ている。彼は韓国は3回目だという。1回目も2回目も、地下鉄で路線図を見ているところを韓国人学生に、旅行案内をしてあげよう、と誘われたらしい。しかも1回目は女子大生に案内(注8)してもらったのだそうだ。もうひとりは、韓国はおろか海外は初めてだという。韓国ベテランのこうせつ君に誘われての卒業旅行なのだそうだ。このボックス、他に、神奈川から来た女子大生2人組に、韓国人四名。女子大生達は、本当はベルギーに行く予定だったのだが、湾岸戦争で予定変更となったのだそうだ。
 入国カードと、税関申告書に必要事項を書き込む。 18時いよいよ出港。甲板にでて離れ行く下関を見つめる。
 船は大変きれい。風呂もあるので、ひと風呂浴びる。空調もよし。今朝の野宿の疲れも忘れる。ボックス戻って名古屋組とおしゃべり。ソウルでマジックをやるつもりだ、と言うと少々驚いたようだが、少しばかり実演すると納得したようだ。そこで、韓国ベテランのこうせつ君に例の人力車の件を聞いてみると、
「大丈夫だよ。こんな乗り物、どこの国にもあるってば。」と言う。そんなもんか?

 23時寝る。




 韓国前日は、このように快調でした。明日はいよいよ釜山上陸です。

離れ行く下関 フェリー2等ザコ寝ゾーン
離れ行く下関 フェリー2等ザコ寝ゾーン

注5・傷害保険
海外旅行傷害保険のこと。海外旅行での傷害、疾病、盗難、賠償責任などに対する保険。いろい ろな保険をセットにした契約があるが、こういったセット契約より、自分で種類と掛け金を細かく 設定したほうが安く押さえられる。僕はセットなら9000円から16000円 位かかる日数の保険料を、4710円で押さえた。もっともその分、保険金も少なくなるが。
掛け捨てだが、安心を買うつもりで入っておい た方がいい。なお保険料率は大蔵省の認可制になっているので、どこの保険会社、旅行会社、空港で 申し込んでも同じ保険料に対する補償は同じ。
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と92年当時は書いてたのだが、現在では保険会社によって随分サービスが個性化しているそうなのでいろいろ調べておいた方がいいかもしれない。

注6・韓国語の会話集
『韓国語の旅行会話集これだけで大丈夫!!』 原谷治美 著 ナツメ社 (700円) のこと。延々と会話が続いてるものよりも、必要 最低限のフレーズを分かりやすくまとめたものの方が、役に立つ。また、ちょっとした会話集なら『歩き方』や『フ リーダム』に載っている。

注7・おばちゃん達
日本製の電化製品を抱えて韓国に『輸出?』してい るおばちゃん達。結局どういう人達なのか分からずじまい。

注8・僕も真似して、韓国では地下鉄に乗る度、路線図 を眺めていたが、女子大生はついに来なかった。

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