ベルゼブブ <ユダヤ教・キリスト教><神魔>
魔王の一人。地獄の王子、悪霊の頭と呼ばれ、ミルトンはその著書「失楽園」で「サタンに次ぐもの」と定義している。ヴァイヤーの「地獄の宮廷」では、すでにサタンを退け、魔界の最高権力を掌握している。イエスを仇敵とし、冥府へ幽閉しようとして失敗した。また、イエスが人々の病を治したときに、「ベルゼブブの力を借りたのだろう」と疑われた伝説も残る。その正体は巨大な蝿であり、ヨーロッパにペストの大流行を引き起こしたのもベルゼブブであるという。起源はカナアンのバアルであるが、「王子バアル」を意味する「バール・ゼブル」が、ユダヤ人によって「糞山の王」を意味する「バール・ゼブブ」に曲解され、蝿の王ベルゼブブになったとされる。天界にあっては熾天使として権威を振るっていた。七つの大罪のうち「大食」を司る。