両替 |
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■マイナス6万円 |
両替はどこでできるのか? レートがいいのはどこか? 1ヶ国でいくら必要なのか?といったことは海外旅行がほぼ初めてのボクにはさっぱりわからなかった(初めての海外は大学の卒業旅行。一緒に行った都丸と名古屋駅前の銀行数軒を周って最もレートのいいところで両替した)。地球の歩き方によると、東南アジアでは、都市部の銀行では日本円の両替も可能だがどこの国でも日本円よりもアメリカドルの方が両替しやすい。小額よりも高額紙幣(100$札や一万円札)の方がレートがよく、現金よりもTCの方が安全でよいとのこと。 ボクの場合、小額の紙幣だとかさばるのでまず引き落とした旅行資金70万円のうちUFJの外貨ショップで3000$に替えてもらった。100$札30枚。残りは日本円で所持することにした。この時期は円安ドル高だったので1$≒125円。2005年3月現在は1$≒105円なので、この両替だけで6万円程度の損をしていることに(-_-;) |
■両替詐欺 |
飛行機で旅行する場合、土日祝日や早朝深夜に関係なく空港に両替屋があるものだ。ただしレートはかなり悪い。ボクは陸路海路でのみ進んでいたので、国境近くで両替できるらしいという情報を持っているだけだった。例えば最初の国は中国[China]だけど、日本で両替はしていなかったので1元も持ってはいなかった。いくら金持ちでもその国のお金がなければ食うことも寝ることもバスに乗ることもできない。大部屋で一緒になった旅行者は、 「きっと港で両替できるよ」 と気楽なものだ。 そのとおり到着した上海[Shanghai]の港で両替はできたのだがあまりレートはよくはない。二万円ほど両替した。北京[Beijing]ではキールさんにとてもお世話になりほとんどお金を費やすことになく過させてもらったのでベトナム[Vietnam]へ出る時はかなりの中国元が余っていた。二度と中国に戻ってくることはないと考えてこのお金をできれば日本円に戻したい。ベトナム[Vietnam]ではアメリカドルが通用するというので小額紙幣も欲しい。国境の町河口[Hekou]の銀行で一泊した翌朝銀行で慣れない英語を使ってみた。 「Can you exchange money from Chainese Gen into USDaller?(ドルに交換できる?)」 拙い英語はなんとか通じたらしく小額のドル紙幣が手に入った。中国[China]では再両替する場合に、最初にもらった領収書を提示する必要がある。入国時に両替した紙をなくさずに保管しておかなくてはならないようだ。 |
■向こう岸に渡りなさい |
2003年4月ラオス[Laos]からタイ[Thailand]へ入国した。当初ラオス[Laos]北部の村ムアンシン[Muang Xing]から国境川岸の町へバスで行きそこで一泊してから川を渡ってタイ[Thailand]へ行く予定だった。道路の調子がよく、夕方日が落ちる前にフェイサイ[HoueiSai]へ着くことができた。現地人の話ではまだ国境は開いていて渡ることができるよ、とのことだった。できることなら評判が悪いフェイサイ[HoueiSai]の町では泊まらずにタイ[Thailand]に行きたかった。問題は余ったラオス紙幣25万キップ(≒約三千円)だが、隣の国の銀行で両替くらいできるはずだと考え川を渡ることにした。 翌朝タイ側チェンコン[ChiangKhong]の町中を歩き銀行をあたるが、ラオス[Laos]のお金は両替できないという。インフレが続く通貨として信用がないためと紙幣自体ボロキレ同然なひどい状態でもあるからだろう。ホテルらしきところを何軒かあたったがどこもN0! 日本なら三千円くらい仕方ないとあきらめることもできるが、この町では一泊60B(≒200円)、1日500円もあれば生活できる。あきらめることはできない。怪しい商店を尋ねるとかなり悪いレートを提示してきたがこれも納得できない。そこで国境の桟橋に行き、この余ったお金を両替してもらえないか? と頼むと返ってきた返事は 「向こう岸に渡りなさい」 だった。え? 昨日パスポートにスタンプ押してもらってSARSに感染していないかという紙を書いててチェックされたりしたこの国境をもう一度渡って向こうに戻ってもいいの? ラオス[Laos]の入国ビザも持ってないのに? 結局船賃往復40Bだけ払ってラオス[Laos]側に渡り両替だけして帰って来るという不思議な体験をした。ボクが向こうへ行っている間に看守のおじさんが休憩で他の人に替わってしまったりしたら不法入国者みたいに思われてやっかいなことにならないかな〜とか内心ドキドキしていたのだけど、パスポートも見ずに「通ってよし」と再入国させてくれた。けっこういい加減なものなんだな、これでいいのかよ… |
■立場替わって |
その経験から約2年たった今、ボクはスターバックス渋谷公園通り店でアルバイトとして働いている。たまに外国人もやってくるが臆することなく対応できるのは長い旅行をしたおかげだろう。 GW中の5月3日(火)。ボクがメインレジでお客の行列をなんとか対応していると斜め前方から声がかかった。どうやらある外国人が「両替できないか?」という意味のことを言っているようだ(高額紙幣を崩してほしいというわけではなくおそらくUS$を日本円に換えたいということだろう)。近くにいた店長・愛さんに尋ねたがお店としては外国通貨の両替は無理とのこと。「No」というとその外国人は哀しそうな顔で去っていった。 ボクにはこの外国人の気持ちが痛いほどよくわかった。慣れない国の予期しない休日にぶつかり銀行も休みで両替もできない。自分の国の紙幣はいくらでも持っているがこの国のお金は全くない。食べることも移動することもままならない。怪しい奴らがやってきて「オレが両替してやるぜ」なんて言って騙されたりイヤな気持ちになったという経験は東南アジアで何度もあった。 お店としては両替はできない。けど個人的に例えば1$=100円で両替してあげることはできる。後日ボクが銀行で円に戻せばいいだけだから。遠い国の言葉も通じない町でどれだけ心細い思いをしているだろうか。それが一人旅ならなおさらだ。ボクは手助けしてあげたかった。メインレジは他の人に任せて財布をバックルームに取りに行きお金を交換してあげる。それだけのことがその瞬間はできなかった。でもまた同じシチュエーションが訪れたらボクは迷わず外国人を優先する。お店の売上げが下がろうとも、目の前の日本人客が困ろうともかまわない。外国で受けた恩を返すため、そして将来の世界の平和につなげるために。 |
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