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2005年8月25日
気紛れに雷雨

 23日昼、真っ黒な雲が南の空を覆って建物が真っ白に浮かび上がっていた。これは大雨の降り出すサイン。予報では深夜にかけて雷雨。さすがに傘は省略できそうにない。丁度降り出してきたところで電車に乗り込み上手く雨を逃れたと思ったが、下北沢で本降りの雨がお出迎え。雨と水たまりが行手を阻む・・・間に合うか? いや、そんなに急ぐ事もないのだが・・・結局、殆ど一番乗りに近い入場だった。カウンターにはこの雨で外へコーヒーを飲みに行けなかった晶君がいた。
「いらっしゃいませ。」
 この日は少し朝寝坊できたらしいが、最近は早寝早起きという至って健全な生活を送っているそうで。故に最近、夜を慕って記す文章は停滞せざるを得ないのかも、とひとり納得した。アーティストは気分屋と同義。それが今の流れならばそれもまた良し。
「じゃあボールペンで。」
 気が向いたらしく「お手紙」を頂戴した。即興で非常に刺激的な面白い人物を描いてくれた。これをどんな色でどんな風に仕上げていこうか、思案のしどころである。

 前回とは打って変わって緩やかな空気が漂う店内。これこそが私の良く知る懐かしいビッグマウスの雰囲気。珍しく「イタズラ」からしっとり妖しく始まり、続く「ヨダカの星」でさらに浚われ。「地下鉄・小江戸線」は手拍子が似合う。今夜も何処からともなく発生して楽しいひとときとなった。「陽ハ出ズル」の速いリズムには鼓動が無意識にシンクロしていく感じがあってちょっと恐い。けれど心惹かれる。・・・曲の順番はすっかり曖昧だ。最後は何だったっけ?・・・駄目だ。出てこない。まあいいか。のんびり傍ら日記の更新を待つとしよう。
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<傍ら日記より>
●8月23日 下北沢 BIG MOUTH
 1. イタズラ
 2. ヨダカの星
 3. 白いオツキサマ("新"未発表曲)
 4. 陽ハ出ズル
 5. 地下鉄・小江戸線("新"未発表曲)
 6. 夕暮れ貯金

 ちなみにこの夜共演された西海しげるさんは、なんと西海孝さんの弟さん。「高田ファール」意味は知らなかったが凄く面白い唄だったなあ。ちなみにお召物は「ボンカレーTシャツ」だった。しかも甘口。
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<ライブ>
FM802MINAMI WHEEL 2005
 なんと10月23日(日) に晶君が出演!!


2005年8月18日
漢字テスト(出題:ヤマグティ先生)
6年4組 セヒグチキロコ(仮名) 
  解答欄 正解
 問1 くじら 分かりません 
 問2 れもん 難しくて書けません 檸檬
 問3 うつ もっと難しくて書けません 
 問4 かかと 降参です 
 問5 ひじ 分かりません 
 問6 ふともも  記憶が曖昧です 太腿(太股、太肢)
 問7 あご 良く見知っていますが思い出せません 
 問8 コーヒー珈琲 
 問9 カレー 分かりません 伽哩(加哩?)
 問10 てのひら ここまで出かかってるけど思い出せません  

 8月17日深夜、シブヤのとある建築物の七階にて抜き打ち漢字テストが行なわれた・・・結果は惨敗。お恥ずかしい有様である。見れば読めるけど、書けない・・・これは数年前よりパソコンを使うようになって更に悪化している。そもそも言われたことを書くのは苦手なのだ。それは小学生の時分に出された漢字書き取りの宿題が嫌で嫌で半年分溜め込んだほどの苦手さである。しかし大人になった今これでは・・・酷い。酷過ぎる。今後は絵を描くだけではなく、字も書くことにしよう・・・縦書きで。

 さてライブはどうだったかといえば。もちろん良かった。本当に良かった。そう思うに至る経緯は、ライブをひとつの終点とする道筋である。楽しみにしているライブの日に向かって日頃の意識が集約されてくる・・・そういう流れになっている。そして溜まった意識に唄はひときわ迫りくるのである。昨夜は何の断わりもなく目から液体。弱った奴よ。というわけで、昨夜は晶君よりもギターの方を良く見ていた。御老体は今、晶君の手によってその命を繋いでいる。過去様々な人に爪弾かれたであろうその人生、もといギター生は想像もつかない。あなたは本当にギターであらせられるか? ・・・音を追って行ったら妙な気分になっていた。形はどう見てもギターなのだが。
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<傍ら日記より>
●8月17日 
渋谷 7th Floor
 1. 陽ハ出ズル
 2. 午後の憂鬱
 3. 地下鉄・小江戸線("新"未発表曲)
 4. ヨダカの星
 5. 俺の骨(未発表曲)
 6. 檸檬(未発表曲)


2005年8月16日
明日はライヴ。

 昼間乗る電車の先頭はちょっと楽しい。最後尾にはあまり乗りたくない。
 夜間の先頭にはあまり乗りたくない。最後尾は切ない。でも落ち着く。

 私は今朝この世に生まれた。
 そしてあと数時間の後に居なくなる。

 暑い夏も寒い冬も過ごし終えれば何でもない。
 楽しい事も苦しい事もちょっと蚊に刺されたようなもの。
 後に残る痒みさえなければ。

 嘘は吐きたくないけれど、本当の事も言いたくない。
 私は天の邪鬼。

 明日はライヴ。


2005年8月12日
埋もれる骨格

 思うに晶君の唄とて『どうしてもライブでなくちゃ駄目!』ということではない気がする。聴くだけでいいのならCDを買えばいいことで、何もわざわざ出掛けて行くことはない。・・・と思っている筋金入りの無精者であるこのワタクシが、苦手とする都内へわざわざ出掛けて行ってまで一体晶君の何を観ているのかといえば。

 既に色々書いているので省略。

 さて11日、恵比寿。出だしでまたちょっとしたアクシデントが発生したが大した事はなかった。これはまさに「今」が流れている証のようなものと私は解釈している。先日高揚していた晶君はもう此処にはいない。「陽ハ出ズル」から始まった。改めて音の恰好良さに痺れながら気分よく聴いていたはずが、最後のサビに差し掛かると胸が詰まった。何故だか分からないけれど。思う存分あるがままに噛み締めた。その後も心地よい音を浴び続ける。描けないのなら描かなくてもいい。が、描けるものなら描きたいのだ。刻々と過ぎていく濃密な時間。今夜は無理か・・・諦めかけた最後の「夕暮れ貯金」でその瞬間はやってきた。・・・幸せだった。

 音の鳴っているギターは生きているから、ライブ中のスケッチではずっと省略している。一度音の鳴っていない状態をじっくりデッサンして、それから音の鳴っている状態を描いてみたい。どんな不味い出来でもいい。余剰な肉は全て削ぎ落として、もう骨だけになりたい。
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<傍ら日記より>
●8月11日 
恵比寿 switch
 1. 陽ハ出ズル
 2. 地下鉄・小江戸線("新"未発表曲)
 3. 俺の骨(未発表曲)
 4. ヨダカの星
 5. トリーハ〜哀歌〜("新"未発表曲・曲:Federico Moreno Torroba/詞:山口晶)
 6. 白いオツキサマ("新"未発表曲)
 7. 夕暮れ貯金


2005年8月3日
音、ありき。

 先月30日は本当に、本当に、本当〜に久し振りのビッグマウスだった。向かう途中で追い付いたMさんと一緒に一番乗りで現地入り。Mさんとは同じ日に初めて晶君のライブを観たのが縁の始まりだ。私は何となく惹かれた程度だったが、Mさんはそこでファンになった。デビュー前の晶君を私などよりはるかに多く見続けて現在に至るツワモノである。そんな彼女はビッグマウスの常連さん。スタッフとなごやかに話しているMさんの横で、久し振りの私はすっかりおのぼりさんと化していた。当時と同じに見える壁や床や椅子やテーブルも、良く見ると所々変色したり剥げていたり。知る由もない年月の間にきちんと使い込まれているのが何だか愛しい。ドキドキしながら見渡した。マスターの顔もついまじまじと見つめてしまって、失礼な事をしてしまった。ごめんなさい。変わりないところと変わったところが混ざり合った不思議な感慨に包まれて、ライブが始まった。演奏が重なって行くうちに徐々に高まっていく何かが、すこしずつ会場を満たしていった。

 そして三番目に晶君。今回は晶君自身によるセッティングだ。懐かしい光景。そしてギターを爪弾く晶君がすぐ目の前に。これは懐かしくもあり新鮮な距離感。この日は「うつろぎ12号線」から、浮き浮きと弾むような音で始まった。目を輝かせて演奏する様は物凄く楽しそうで、まるでその日のエネルギーが尽きるまで全力で遊び回る子供のような愛らしさだ。勢い余ってつんのめりそうになりながらどんどん走る。ぐんぐん高揚していく渦・・・ぐるぐる巻き込まれて・・・スケッチは半ばで描けなくなっていた。ライブ終了。すっかり消沈。だが、昨日描き出せたのでアップしてみる。
 描いているうちに初めてビッグマウスで聴いた浮遊感を思い起こしていた。

 知人に誘われた四谷で初めて晶君のライブを観たその数日後。今度は晶君のライブを観るためにビッグマウスを訪れた。靴を脱いで上がることに少し戸惑った。店なのにまるで誰かの家へお邪魔するかのような気分になったが、すぐに慣れた。一般住宅ならば広めのリビングに相当するくらいのこじんまりとした店内。ステージに見立てた場所と客席はすぐにでも一体になれそうな気軽な距離。そこは窓を背に演奏するというそれだけですでに浮遊感があって。晶君は見るからに楽しそうなオーラを発していた。そこには四谷で見た時とは全く違う晶君がいた。余りの楽しさに高揚が抑え切れないらしい演奏。前回と同じ曲が違った色を放っていて、とても面白かった。思えば日をおかずに全然違う雰囲気の演奏を観たのがファンになったきっかけといえばきっかけかもしれない・・・が、もうはっきりした事は言えない気がする。
 この時Mさんも来ていたのだが、お互いあまり記憶に残っていなかった。当時はまだ知人を介して知り合ったばかりである。さもありなん。
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<傍ら日記より>
●7月30日 
下北沢 BIG MOUTH
 1. うつろぎ12号線
 2. 午後の憂鬱
 3. 集中豪雨(未発表曲)
 4. ヨダカの星
 5. 白いオツキサマ("新"未発表曲)
 6. トリーハ〜哀歌〜("新"未発表曲・曲:Federico Moreno Torroba/詞:山口晶)

 今回のは読んでいて胸の詰まる思いがした。晶君の唄で私も何処かに繋がれているんだろうか。


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山口晶公認ファンサイト・山口晶の世界を愛でる会
http://orange.zero.jp/mederu/yamaguchi-sho-fan.html