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2005年7月29日
言葉なく

 27日。ライブへ赴く都内への旅・2005夏。極寒電車の中でも揺られていればウトウトと。ハッと目覚めて一瞬の記憶喪失。辺りを彷徨い泳ぐ眼。現在駅確認。路線図確認。我にかえる。シブヤは今日も人がいっぱいだ。その波は途切れることを知らない。押し負けながらも懸命に彼の地を目指す。そして辿り着いた7階。壁一面の大きな窓からは夕暮れに程近い風景。これから始まるライブを感じさせない明るい店内。今日の妙な気分がさらに加速する。何故か不安で落ち着かない。そんな気分とは関わりなく時刻がくるとライブは始まった。

 三番手に晶君の登場。いつものようにギターを爪弾き、好青年的ご挨拶。一曲目は「午後の憂鬱」だ・・・が、その前奏を演奏している最中、マイクスタンドにアクシデントが発生。なんと二回目もやり直し。まるでドリフのコントのようなアクシデントである。狼狽しているのは間違いなかったが笑顔で踏ん張って立て直した三度目の正直。晶君は「今度はお辞儀するなよっ」とマイクスタンドに言い放つと、そのまま見事に飛び込んでいったのだった・・・

 素晴しい演奏もアクシデントも心意気も何もかも、観る側にとっては全てを間近で堪能できるのがライブの良いところ。と私は認識している。演ずる晶君の思いは計り知れないけれども。それでも。ステージの上で狼狽する様は実に可愛らしかったし、立て直そうと踏ん張る様は実に頼もしかったし、自分の演奏へと飛び込む様は思わず吸い込まれそうなほど魅力的だった。自分が晶君をいいと思う理由のひとつはこうしたとき垣間見えるものなのだ。と思う。それが何なのか、未だに「言葉」では表せない。切ない。

 『はっ、こんなところにお手紙が。』
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<傍ら日記より>
●7月27日 渋谷 7th Floor
 1. 午後の憂鬱
 2. 集中豪雨(未発表曲)
 3. 好きなくせに
 4. ヨダカの星
 5. 白いオツキサマ("新"未発表曲)
 6. トリーハ〜哀歌〜("新"未発表曲・曲:Federico Moreno Torroba/詞:山口晶)


2005年7月13日
我にかえりつく

 昨夜の恵比寿はアコーディオン奏者、田ノ岡三郎さんから始まった。アコーディオンの生演奏を聴くのは初めてだ。いつもと違うちょっとクラシカルな雰囲気。楽器の珍しさもあり、好きなクラシック曲も演奏されたりで、思いのほか楽しめた。

 さあ次は唄が大好きな男がステージに登場だ。

 一曲目はつい先日が七夕という事で「愛やよ」。生で聴くのは久々。やっぱり面白い。そして「集中豪雨」。音ではない音にいたく痺れる。何故か雨に濡れた埠頭らしき光景が脳裡に浮かぶ。それから「ヨダカの星」で星の降る夜の浜へと連れられて・・・そして昨夜はそのイントロからゾクゾクした「水溜まりが乾いていく道」。風が吹き抜けていく。とても気持ちのいい音。「白いオツキサマ」の音を辿っていくと淡く見えてくる底深い色気。やっぱりクラクラさせられる。「トリーハ」は昼下がりの遠く煙る風景や満月に照らされた畦道を窓辺に座って見るともなく見ている気分。何か少し楽になる。最後は「うつろぎ12号線」。いかにも楽しくてたまらないといった歌いっぷりに、私も楽しくなる。
 最初から最後までどっぷりと浸かった。ほんの少しの間だけ晶君が旅する宇宙のはしっこを握りしめて。目眩にも似た後味だ。シアワセダ。

 そういえば晶君の後に出演された入日茜さんが合間に話していた。控え室で晶君はず〜っとクラシックを弾いていて、それは気持ち良さそうに弾いていて、聴いていたらすごく気持ちよくてウトウトしてしまった、と。晶君の弾くクラシックといえば「トリーハ」がお馴染みだが、確かに眠りに誘われる気持ち良さ。控え室で一体どんな曲をそんなに気持ち良さそうに弾いていたのだろう・・・聴いてみたい気がする。

 ・・・ライブが終わり、固まっていた手足を前方に投げ出して猫のように伸びをした。出された餌を一粒残らず平らげたような満腹感。ひたすら入力に徹するのは久し振りだった。ゆらゆら漂いつつ、だんだん重力が戻ってくる。嗚呼、早く出力したい。思い切ってアンケートの裏にスケッチを試みた。さっき観たばかりの晶君を思い出して描いてみよう!というわけだ。出来上がりを慌てて撮影したのでピンボケた。その加工がこれ。出来の良し悪しはさておき、雰囲気は出ている気がする。
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<傍ら日記より>
●7月12日 
恵比寿 switch
 1. 愛やよ
 2. 集中豪雨(未発表曲)
 3. ヨダカの星
 4. 水溜まりが乾いていく道("新"未発表曲)
 5. 白いオツキサマ("新"未発表曲)
 6. トリーハ〜哀歌〜("新"未発表曲・曲:Federico Moreno Torroba/詞:山口晶)
 7. うつろぎ12号線


2005年7月11日
走る人間冷蔵庫

 最近夜になっても涼しくならない日が増えてきた。自然の摂理に従って汗ばんだ者共が寄り集まれば、不快指数は急上昇。暑くなるに従って今年も車内は過剰なまでに冷えている。なにしろ通勤電車の混雑ぶりは相変わらずだから冷房がなければ気が狂うだろう。問題は混雑がひいてもそのままの過剰さにある。暑くなれば私だって薄着したいのだが、屋外との気温差を考えたらそんな身を危険に晒すような芸当は出来そうにない。やむなく長時間乗車しなければならない時など抜かりなく防寒装備を仕込まなければとても耐えられない。地球の温暖化が問題になって色々いわれているが、いま利便さを享受して快適な人のうち、昔ながらの不便な状態に戻せる人が一体どれだけいるだろう。快適さを求める人々が減らず、夏を冷やして快適にする努力を怠らなければ灼熱化はどんどん進む。私にしても全てを不便な状態に戻せる自信はない。
 電車が停まるたび開くドアから吹き込む生の空気に、冷たくなった身体が息を吹き返す。湿って潤おう日本の夏は、蒸し暑いのが当たり前。冷房に弱く、電車に乗りたくない私にとって、冷え過ぎている夏の車内は鬼門である。そういえば先日通勤時間帯に「女性専用車両」を利用してみた。何となく涼しい気がした。男性のいない車内ではいつもの圧迫感を感じなかったからだろう。

 「傍ら日記」が更新されていた。先月20日のライブの事と、そして明日のためのリハーサル風景。嗚呼、楽しみだ。ライブスケッチはせずに持てる神経を全て晶君に集中しよう。少し早めに恵比寿の街を散策して、それからゆっくりswitchに行こうと思う。


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