論理哲学論考 1-7 6.1-6.5 6.41-6.45
6.43 善き志なり悪しき志なりが世界を変えるにしても、それは、ただ世界の限界を変え得るだけであり、事実全般を変えることはできない。言語によって表現され得ることがらを変えることはできない。
要するに、世界は、そのときそれによって、そもそも別ものになるはずだ。世界は謂わば全体として減るか増えるかするはずだ。
幸福な者の世界は不幸な者の世界とは別ものだ。6.431 死の際にさえ、世界は変わらない。終わるのだ。 〔6.4311-6.4312〕 6.432 世界がどのようであるかは、高次のものには全くどうでもいいことだ。神は自らを世界の中には啓示しない。 〔6.4321〕