論理哲学論考 1-7 5.1-5.6 5.51-5.55 5.551-5.557
      
5.556 基本的文の形式のヒエラルヒーなどというものは存在し得ない。我々は自らが構成するものだけを予見し得る。
5.5561 経験的実在は対象の総体によって限定されている。その境界は基本的文の総体において再び自ずと顕現する。
ヒエラルヒー全般は実在とは独立しているし、また、そうでなければならない。
5.5562 我々が、純粋に論理的な諸根拠から、諸基本的文が存在するはずであることを把握しているのであれば、文全般を分析されていない形式で理解している者は誰でもそのことを把握しているはずだ。
5.5563 我々の日常言語の文の総ては、実際、そのままで論理的に完璧に秩序づけられている。――我々がここで特定すべき最も単純なものは、真理の喩などではなく、十全な真理そのものだ。
(我々の諸問題は抽象的ではない。たぶん存在する諸問題で最も具体的なものだ。)