論理哲学論考 1-7 5.1-5.6 5.41-5.47
      
5.44 真理関数はマテリアルな関数ではない。
例えば、ひとが二重否定によって肯定を生み出し得るとき、否定は肯定のうちに――何らかの意味で――含まれているのか? 「〜〜p 」は 〜p を否定しているのか、p を肯定しているのか、それとも両方なのか?
文「〜〜p 」は否定をひとつの対象のように扱ってはいないが、しかし、肯定の可能性は否定のうちに予め定められている。
また、もし「〜」と称される対象が存在したとすれば、「〜〜p 」は「p 」とは別の何ごとかを述べるはずだろう。というのは、その場合、一方の文はとにかく 〜 を扱い、他方は扱わないだろうからだ。
5.441 こうした見かけの論理定数の消滅は、また、「〜(∃x ) .fx 」が「(x ) . fx 」と同じことを、あるいは「(∃x ) . fx . x = a 」が「fa 」と同じことを述べる場合にも起る。
5.442 ひとつの文が我々に与えられているならば、それとともに、それを基底にもつ総ての真理オペレーションの結果ももう齎されている。