論理哲学論考 1-7 4.01-4.06 4.031-4.032
      
4.031 ひとつの文においては、何らかの状況が謂わばサンプルとして構成される。
ひとは、この文はしかじかの意味をもつと言う替わりに、この文はしかじかの状況を表わしていると直截に言うことができる。
4.0311 或る名称は或るものを、別の或る名称は別の或るものを代表し、互いに結びつけられており、そうしてそれらの全体がひとつの状況を――活人画のように――表象する。
4.0312 文の可能性は、記号による対象の代理の原理に基いている。
私の根本的な考えは、「論理定数」なるものは代理をつとめないということ、事実全般の論理は代理され得ないということだ。