論理哲学論考 1-7 3.1-3.5
      
3.3 文だけが意味〔Sinn〕をもち、文のコンテクストにおいてだけ名称というものは意義〔Bedeutung〕をもつ。
3.31 ひとつの文の意味を特徴づけるような当の文のあらゆる部分を私は表現(シンボル)と呼ぶ。
(当の文そのものも表現だ。)
ひとつの文の意味にとって本質的なもの、諸文が互いに共有し得るものの総てが表現だ。
表現は或る形式と内容をマークする。 〔3.311-3.318
3.32 記号はシンボルの感官的に知覚可能な部分だ。 〔3.321-3.328
3.33 論理的構文論においては、記号の意義が何らかの役割を果たすことは決して許されない。論理的構文論は、記号の意義が話題にされることなど無しに、組み立てられ得るのでなければならない。それが前提とすることが許されるのは、ただその諸表現の記述だけだ。 〔3.331-3.334
3.34 文は本質的な諸相と偶然的な諸相をもっている。
偶然的なのは、その文記号を齎す特殊な仕方に由来する諸相だ。本質的なのは、それらだけで当の文にその意味を表現することを可能にする諸相だ。 〔3.341-3.344