論理哲学論考 1-7 2.01-2.06 2.021-2.027 2.0231-2.0233
      
2.0233 同じ論理的形式をもつふたつの対象は――それらの外的諸属性を別にすれば――もっぱらそれらが相異なっていることによって区別されている。
2.02331 或るものが他の何ものももっていない諸属性をもっている場合、ひとはそのものを或る記述によって他のものの中から簡単に浮かび上がらせ指し示すことができる。一方、そうではなくて、それらのもつ属性全部が共通しているような幾つかのものが存在する場合には、そのうちのひとつを示すのはそもそも不可能だ。
というのは、ひとつのものが何によっても際立てられないならば、私はそれを際立たせることなどできないからだ。そんなことができたならば、それはまさに際立てられてあるのだから。