2000.10 | ||||||||||||||
一門で菊春・鴬童を偲ぶ会
|
||||||||||||||
保利神社に百円寄付の標柱・二代奈良丸の遺徳を再認識 大阪市住吉区の保利神社では、境内にある二代目吉田奈良丸の碑を移転整備し、十月十六日、清祓除幕式が行われた。 保利神社は大阪市南端の長居公園近くにあり、境内に、「寄付 金百円 吉田奈良丸」と記した記念標柱がある。これは大正五年九月のもので、古老の記憶によれば、近くの住吉座という劇場で奈良丸が寄付興行を行い、その売上高全額を寄付したことを記念して立てられたもの。 宮司の乾充宏さんは部類の浪曲ファンで、「これも何かのご縁、人知れず埋もれている標柱をよく見えるところに移し、浪曲の興隆を祈念したい」と移転整備した。 十月十六日は同神社の秋の例祭で、夕方五時半から氏子らが集まって清祓い式を行った。乾宮司は、奈良丸の功績と浪曲の興隆を願う祝詞を上げ、碑を除幕した。 大正五年の百円といえば今のお金で百万円ぐらいに相当する金額で、二代目奈良丸大和之丞は、浪曲の地位向上に常に心を砕き、各地の神社や学校、公共施設のために寄付を行うなど社会的な貢献を惜しまなかった。出身地の下市の学校にピアノを寄付したり、村の鳥居を建てたり、泉州路には「奈良丸の井戸」といわれた井戸もあった。また京都山科神社の建立も師の尽力によるもので、こうした各地への寄付は枚挙にいとまがない その多くは今やひっそりと佇んで、往時を知る人も少なくなっているが、 保利神社では、浪曲ファンの乾宮司が大和之丞のこの寄進をたたえ、浪曲の歴史に再び日の光を射しかけた。 |
||||||||||||||
「ローオンレコードを知ってますか」 駒蔵・佐知子で芸術祭参加公演 大阪にあった浪曲専門のレコード会社ローオンレコードが残した功績をたどる芸術祭参加公演が十月五日ワッハ上方演芸ホールで開催された。 演芸プロデューサー沢田隆治氏の企画、本誌編集長布目英一氏の構成によるもので、新野新氏の司会で、ローオン育ちの広澤駒蔵、三原佐知子をメインに、五月一朗、フラワーショーがゲスト出演した。芸術祭の審査対象となるのは、三原佐知子の「異国の母」と広澤駒蔵の「木津勘助」の浪曲口演。ゲストの五月一朗は、十八番「太閤記」を、フラワーショーは新野新と京山幸枝若の思い出を語った。 参考「夢を追いかけたローオンレコードと加藤さん」芦川淳平評論集ページに掲載 |