上方浪曲ニュース最新号
2000.9
 元気いっぱい音頭と浪曲
 築港高野山の浪曲まつり

 浪曲親友協会恒例の「浪曲まつり」が、今年も八月三十日築港高野山寺で開催された。
 これは、境内の浪曲塔に、この一年間の物故者を合祀し供養すると共に、周辺地域住民に開放して、奉納浪曲と盆踊りを楽しんでもらうというもの。
 今年は一月二十四日亡くなったギター伴奏の近江吾朗さんを合祀し、午後五時、高野山寺僧侶の読経と共に会員らが焼香した。
 この後、本堂を舞台に、幸いってんと三原佐知子が浪曲を奉納した。続いて、京山福太郎、天光軒新月、春野美恵子、京山小円嬢、京山幸枝丸、京山宗若、京山幸太郎、真山広若、天光軒満月の音頭で盆踊り大会に移った。
 なかでも、天光軒新月は昨年のこの催しの帰り道で交通事故に遭い瀕死の重傷を負ったが、奇跡的に回復し、今年は元気いっぱい江州音頭で復帰を報告した。また、真山広若は、この日愛車を盗難に遭う不運に見舞われながら、厄払いとばかり堂々とトリをとって、盆踊りを見事に締めくくった。
 猛暑の大阪でこの日も、午前中はむせ返るような暑さだったが、昼間めぐみの雨が降って、幾分過ごしやすくなり、夏を締めくくる盆踊りに、これまでにない見物の人出で境内は満杯状態、おどりの輪も広がった。
 新作旧作競演の一心寺寄席

 今月の出演は、春野百合子、京山福太郎、広澤駒蔵(5・6日)、京山宗若(4日)、春野美恵子(4日)、春野ココ(5日)、春野冨美代(6日)。残暑厳しい中連日入場者多数。
 春野門下の日替わり三姉妹は、美恵子が「両国夫婦花火」、ココが「舌切り雀」と新作を披露。冨美代は「斎藤内蔵助」一点に絞ってきわめんとする。駒蔵は、この夏一時体調を崩していたが、「尾張春太郎」を長講に熱演しファンの心配を吹き飛ばした。長講と言えば5日のトリの福太郎は「武蔵屋新造」を気合いたっぷり熱演していた。


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