『日本のアルバイト』    

 福満しげゆきのマンガ。短編集『カワイコちゃんを2度見る』に3話(これで全部?)収録。
 近未来だが現代となにも変わらぬ日本。死体が甦る現象が発生するが、人々は普通に暮らしていた。ゾンビ処理会社でアルバイトする青年のペーソス溢れる日々を淡々と綴る。
 死後ひょっこり甦る死体がゾンビ。ゾンビに咬まれると高確率でゾンビ化するのですが、動きが緩慢なので大した脅威ではありません。自治体から委託された業者が腐敗しきったゾンビを回収し、処理していますが、時にはできたてのゾンビが暴れているところに出くわすこともあります。
 世界観描写では『ステーシー』『東京ゾンビ』に劣るかもしれませんが、「ゾンビ=終末観」という常識を逆手に取った日常感覚が良い感じ。結局のところ、ゾンビが発生したぐらいじゃ終末は来ません。日常とは堅牢なものです。

top  index




| HOME | top | index | e-mail |

Copyright (C) 2001-2004 墓守 All rights reserved.
ichien@bird.zero.ad.jp