エディがAV(オーディオ・ビジュアル)やホームシアターに関して熱く語る


デジカメがAVと融合する日

(2006.4.30)


 「大画面テレビでデジカメ画像鑑賞――」
AVとカメラの世界が融合する可能性について語る。
オーテクのカナル型イヤホンを試した話も。




    大画面でデジカメ画像鑑賞の魅力

 4月1日、地上デジタルパススルー開始と同時にハイビジョンレコーダー
 「RDZ−D70」を購入、日々ハイビジョンの高画質を楽しんでいる。
 このRDZ−D70、前面にUSB端子が付いており、デジカメを接続して
 画像をさまざまな映像機器に対してハイビジョン信号で
 出力することが可能である。この機能を使って、
 プロジェクターの80インチという大画面でデジカメ画像を鑑賞すると
 迫力・感動が倍増、ハマっている。
 

デジカメの高精細画像を80インチ大画面で鑑賞

 今までデジカメというのは「PC周辺機器」という色合いが濃く、
 実際デジタルデータであるからパソコンに取り込んで管理するし、
 そのビューワーとしてはパソコンモニタがその役目を果たしていた。
 しかしここにきて、薄型・大画面・高精細テレビブーム、そして
 ハイビジョンレコーダの普及に伴って、大きなデータ量を
 高速で扱う機器が増え、また手が届く価格になってきた。
 高精細なデジカメ画像を大画面で楽しむ環境が出来てきたと言える。
 
 液晶テレビの売れ筋は32型から最近では37型にシフトしてきたようで、
 プラズマの巻き返しによって42、50型というサイズの勢いもある。
 画素数は1366×768や1024×768といった構成が主流である。
 パソコンモニターは17型で1280×1024画素程度のものが主流だろうか。
 画素数としては液晶テレビとPCの液晶モニターは同程度であるが、
 同じデジカメ画像を見るのでも画面サイズの大きさによって
 ここまで感動が違うのか、というくらいに、高精細・大画面で見る
 デジカメ画像というのは素晴らしく、全く違う世界だと言っても過言ではない。



    デジカメは最も高画質なハイビジョン

 題名の通りである。まず画素数比較では、ハイビジョンは
 1920×1080画素=約200万画素である。
 これに対し、デジカメは今や2000×1500程度の300万画素が最低ラインで、
 3000×2000=600万画素や、最近では1000万画素を超えるものも出てきた。
 情報量としては、既にデジカメが大きく上回っているのだ。
 
 またハイビジョンも、全てが1920×1080画素というわけではない。
 地上デジタルでは伝送路の容量が比較的少ないために
 水平を1440画素に間引くことは珍しいことではないし、
 また放送局側のカメラも、水平画素が1920と1440のものがあるそうで、
 コスト削減や、屋外ロケでは可搬性の点から1440のものを使うことも多いと聞く。
 さらに、家庭用ハイビジョンカメラの規格「HDV」も、水平画素を1440にした
 ものとなっている。
 
 そして、画素数だけではない、「圧縮」という要素が絡む。
 デジタルハイビジョンの伝送には圧縮方式としてMPEGが使われるが、
 圧縮率が比較的高く、エッジの周りにモスキートノイズが見えたりする。
 また動画像であるがゆえに、時間方向に変動するノイズが0ではない。
 静止している場面でも、近づくと背景などでジラジラしたものが見える。
 
 これに対しデジカメはJPEGが使われることが多いが、その圧縮率は比較的低く
 抑えられている。また600万画素といった画素数を持つディスプレイは
 民生用では存在しないので、表示する際には画像を縮小することになる。
 この縮小の際に、細かなノイズはほとんど消えてしまう。
 低い圧縮率、画像縮小が入ること、これによって静止画ではモスキートノイズを
 見かけることはまずないのである。
 もっとこだわるのであればJPEGを使わず、圧縮率は低いが劣化はしない
 可逆圧縮を使ったり、あるいは全くの生データで保存することも可能。
 さらに静止画では1枚の画像データが時間方向に変動しないので、
 チラチラするような、時間方向のノイズも皆無である。



  デジカメとAVの融合に足りないもの

 ここまで話をしてくると、高画質なデジカメ画像を大画面で見ると
 ハッピーハッピー、カメラもAV機器の一つになるという流れに
 なってくるわけだが、本当にカメラがAVと融合するためには、
 越えなくてはならない壁が1つある。
 
 画面アスペクトである。
 
 そう、デジカメというかカメラの世界では未だに4:3が主流なのである。
 松下を筆頭に、16:9で撮影できるカメラも登場しているが、
 まだ少数だし、撮影画素数の選択の際にも、16:9サイズは1つしかなく、
 あとは4:3のサイズから選ばざるを得なかったりと、
 まだまだ4:3が主流なのである。
 上の写真を見ても、当然だが左右に無映像部分が残る。
 これではワイドテレビとの親和性が高いとは言えない。
 
 しかし、ハイビジョン規格が16:9を選択し、今やテレビはほとんどが
 16:9になっている状況、またカメラの世界でも一時期、超横長の
 「パノラマ撮影」ができる使い捨てカメラが流行したように、
 横長画面の方が迫力ある写真になることは間違いがないだろう。
 ビデオカメラは既に撮影素子から16:9で、16:9のモニターが付いている
 商品が増え、これを利用した静止画も撮れるようになっているが、
 餅は餅屋、静止画画質はデジカメが上。またいつも持ち歩く、
 という点でもまだデジカメが上である。
 16:9の液晶モニタを備え、16:9撮影ができるデジカメの登場を望む。
 
 個人的にも、16:9撮影ができるカメラが急に気になりだした。
 今所有しているFinePixF10は3:2撮影が1モードあるだけで、
 16:9撮影ができないのだ。やはり80インチのフルスクリーンに
 映し出されるデジカメの高精細画像を夢見てしまう。



    オーテクのカナル型イヤホンを試した

audio-technica
ATH-CK5


定価 3,675円


「オーテク」のスタンダードなカナル型

 オーディオの話を1つ。
 今まで、デジタルオーディオプレイヤーのヘッドホンとしてはソニーの
 「MDR−EX51」というものを使ってきた。
 (詳しくは「耳栓型ヘッドホンを試す」を参照)
 これが1年経って、通勤の激しさから(?)ボロボロになってきたので
 買い替えることにした。そこで、ちょっと浮気して、
 同価格帯で他メーカーのものを探し、オーテクのものを買ってみた。
 
 音漏れが少なく、遮音性も高い、低音再生に有利などの長所を持つカナル型、
 ネオジウムマグネットを使用した11.5mm口径ドライバ、
 金属ボディの制振設計でクリアな再生音、
 耳から外れにくいLOOP形状と、スペック的には良さそうだ。
 さてその音。
 
 ひどい。
 
 低音が全く出ない。「iAudio M3」には10段階のバス調整が付いているが、
 今まで2か3程度だった値を慌ててMAXの10まで上げたが、
 それでも見事に低域が出ない。
 200Hzくらいの、中低域から特性が落っこちているのか、
 声や楽器のパワー感というものが感じられない。
 スカスカの音である。金属ボディなんて全く無意味。
 LOOP形状も、確かに耳からは外れにくいが耳が痛くなってしまう。
 評価するなら★1つか、評価にも値しない程度か。
 
 個人的にはオーテクは好きなメーカーだったのだが、
 それだけにこの製品にはがっかりだ。
 何かの間違いであって欲しい。それか商品の責任者は辞めろ。
 
 ということで、買って2、3日後には元のソニーのヘッドホンを買い直した。