バーテックスリンク iAUDIO M3
定価\オープン (2004年4月発売、使用期間05年3月〜06年12月)
音質・機能・デザイン、3拍子揃った最強オーディオプレイヤー
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主な特徴
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1.アルミニウム&超スリムの洗練されたデザイン
2.6ライン表示&LEDバックライトで鮮やか見やすい液晶リモコン
3.BBE/Mach3BASS/MP ENhance/3D Surruondなど多彩な音質調整機能
4.MP3/WMA/Ogg Vorbis/ASF/WAVなど多様な音楽フォーマットに対応
5.ボイスレコーディグ、ダイレクトコーディング、FMラジオ、リムーバルディスク機能
6.大容量20GBHDD搭載、14時間連続再生
音 質
★★★★★
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ここでいう音質とは、MP3に起因する歪などは除く。
つまり、256kbps程度の、十分にデータ量が与えられて
歪が検知できない程度のファイルを聴いた時の音質を指す。
本機には多彩な音質調整機能が備わっている。
イコライザは5バンド、7種類(ノーマル、ロック、ポップス、ジャズ、クラシック、
ボーカル、ユーザー)があり、ユーザーでは各バンド毎に0〜12dBまでの
調整ができる。しかしノーマルでバランス良い音が得られていたので使っていない。
波形の立ち上がり特性を補正し、中〜高音域を鮮明にするBBE機能。
確かに音が鮮明になって、ボーカルなどが前面に出てくる。
曇りガラスが晴れていくように感じられる心地良さだ。
10段階の調整が可能で、好みに応じて調整できる。
低音を強調するMach3BASS機能。ボンボンという感じではなく
自然に低音が増強されていく。これも10段階の調整が可能。
圧縮によって失われた情報を再生するというMP Enhance機能。
オンにすると、低音と高音が強調されるように聴こえる。
ただ、曲によっては音割れが発生するため、オフにしている。
3Dサラウンドは残響を付加する。擬似的な感じは否めないが、
面白い人には面白いだろう。
ヘッドフォンにはビクターの耳掛けタイプ「HP-AL300」を用いているが、
かなり深みのある低音から、粒立ちのよい高音まで再生する。
本機の音質には正直驚かされた。
操作性
★★★★
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左が本機に付属するリモコンだ。
128×96ドットと解像度が高く
6行表示が可能だ。左の状態では
1行目にトラック情報、再生状態、
電池残量などが表示されており、
2行目に歌手などのフォルダ名、
3行目に曲目などのファイル名、
4行目に曲の進行状況、再生時間、
5行目にレベルメーター、
6行目にはビットレート、サンプリング
周波数、サウンド効果の設定状況
などが表示されている。多くの情報が 凝縮されているのが分かる。
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フォルダやファイル検索の際も5行表示を行うので、スクロールの際の
視認性も良い。LEDのバックライトも鮮やかで、見やすい。
なお、6行表示ということで大きめのリモコンを想像する方もいるかも
しれないが、現物は約6cm×3.5cmと小さくまとまっている。
起動は上部のジョグを長押しして電源が入る。
起動画面が流れ、操作が可能になるまで10秒程度かかる。
HDDが入ってるんだなぁと感じる瞬間である(笑)。
操作は上部と下部にある2つのジョグダイアルで行う。
上のジョグは曲送り・曲戻し基本的に階層を上下したり、決定の役割を担い、
下のジョグは音量調整の他、メニュー表示、フォルダ内の選択を行う。
iPodのワンホイール操作ほどの簡潔さはないが、
逆にワンホイール操作は多くの操作を1つにまとめているわけで、
どのような時にどのような操作をすればよいかを把握するのが大変とも言える。
2つのジョグを使う本機には最初は戸惑ったが、慣れればさほど問題はない。
連続再生時間は14時間となっているが、普通に使う分には不足を感じない。
通勤で使っているが、3日に1回程度充電している。
クレードルが付属するが、本体の挿入口が横に細長い形状をしており、
なかなか「サクッ」とセットできないことがある。
デザイン
★★★★★
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面積は名刺を一回り大きくした程度、そして薄さが際立つ。実にスマートだ。
そのボディはアルミニウムで覆われ、冷んやりとした感触とともに
重厚な感じが伝わってくる。私が買ったトワイライトレッドモデルは、
「シャア専用」という感じがしなくもないが(笑)、
大人の感じがして実に渋い。iPodとは異なったセンスの良さを感じる。
他にはシルバー、グレー、そしてレッドとともにヨドバシカメラ限定色のブルーがある。
高級感のある本体に比べると、リモコンは金属でなくプラスチックで
少々安っぽい印象だが、重いリモコンが服にぶらさがるのもどうかと思うので
まあ大目に見よう。LEDのバックライトは鮮やかなブルーで、よい。
PCとの連携
★★★
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PCとの接続はUSB2.0ケーブル。付属のクレードルか、アダプターを使う。
付属ソフトは「Jet Shell」。画面が上下に2分割され、
上にPC側、下にiAUDIOのフォルダ構造がWindowsのエクスプローラ形式で
表示される。iTunesのようにPC側とプレイヤー側で収録曲を比較し
プレイヤー側に曲がなければその曲を転送するといった機能はない。
CDやWAVファイル、WMAファイルをMP3にエンコードしたり、
MP3をWAVに戻す、MP3同士のビットレート変換機能がある。
MP3変換の際には、可変ビットレート、エンコード速度が選べる。
上はJet Shellで音楽再生を行っている際の表示部である。
レベルメーターは通常のデジタルメーターの他、アナログメーターも選べる。
6種類のイコライザの他、HallやStadiumといったエフェクトも21種類!
実際使うかという部分はさておき、遊び心があってよい。
総 評
★★★★★
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このジャンルの製品を買おうとする時には、“iPod”を意識せずにはいられない。
iPodに対して明確な強みが感じられなければ、iPodでいいじゃんという
感じになってしまう。そういう点では、本機の音質、表示能力の高いリモコンを
操作の中心に据えた点、アルミ製の高級感溢れる本体・・・
この3点はiPodにはない大きな魅力だ。
iPodを買わずにiAudioを買って良かったと自信を持って言える。
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