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お洒落なサブウーハーを探して
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(2005.8.9) |
おしゃれに変身した我がシアターだが、おしゃれになったばかりに 少々問題も発生している。「今まで使っていた機器が部屋に合わない」 ということで、買い替えたくなってしまうのだ。 先月、センタースピーカーを8年連れ添ったヤマハ「NS−C105」から ビクターの「SX−LC33」に変えたが、変えた理由には音質以外に 黒い外観が部屋に合わない、ということもあった。 センタースピーカーの次はサブウーハーに白羽の矢を立てている。 現在使っているのはヤマハ「YST−SW80」だが、見ての通り、黒い。 明るい雰囲気の部屋に合わない。普通に設置しようものなら、 訪れた友人に「何この黒い箱?」とツッコまれそうなものである。 そんなわけで現在は、サブウーハーはDVDラックの陰に横向きにして 押し込めてあるという状況である(画像)。 我がシアターでは文字通りの「黒子」と化しているサブウーハーだが、 今の状況を継続するのは気が引ける。やはりサブウーハーも、 「低音は俺が出してるのよ〜」という誇りを持って、一定の存在感を 持っていて欲しい。ラックの陰に横向きに設置しているというのは 音質的にも×で、やはり堂々と表に出して、リスナーに向けて設置したい。 ということで今回、表に出しても恥ずかしくない、 お洒落なサブウーハーを特集する。外観の点からサブウーハーを 特集した記事というのは他に例を見ないことかもしれない。 以前はサブウーハーと言えば形も色も変化がなく、 「デカい箱」をそのまま体現したような製品が多く、 リビングシアターを実践しようとする男性にとっては 奥さんの反対意見を最も受けやすいポイントではなかったか。 しかし今や「AV機器はオシャレじゃなきゃ売れない時代」である。 最近は外観に気を遣った製品がちらほら登場してきた。
「お洒落な」という基準も非常に曖昧だが、今回は我がシアターに合う という点を重視、外観は木目調とした。サイズはあまり大きくならない 程度が良く、重量も15kg以下とした。予算上限を5〜6万円に設定して 各社の製品をチョイスしてみた。それでは価格の安い順に紹介していく。
バスレフダクトをスリット状にして、放射ノイズの減少、 応答性の向上を図る「AERO ACOUSTIC DRIVE」技術を採用。 キャビネットには美しい響きを持つMDFを全面的に採用。 このサイズで13kgという重量は、なかなか手が込んでいる印象だ。 仕上げはリアルウッド突き板仕上げ。天然の素材感を生かした 飽きの来ない外観になっている。
サブウーハーに久々の新機軸が登場した。 薄型テレビとのマッチングを考えたという、薄型サブウーハーである。 一般に30〜40cm程はある奥行きは、なるほど確かに15cmあまりに 収まっていて、壁に寄せて設置すれば圧迫感は少なそうだ。 薄型を可能にしたのは、なんと背後の壁面を利用して前方180度に 低音を放射する「FD-Bassテクノロジー」の採用だ。 コンパクトなキャビネットで豊かな低音再生を実現するヤマハお得意の YST技術をさらに進化させた「A-YSTU」も採用している。 明るい木目調の本体に、斜めのカッティングが入ったサランネットを 組み合わせた外観は斬新でスタイリッシュである。
AVアンプを経由して周波数を調整された信号に対しては ウーハーのネットワーク回路をバイパスしてストレート再生を行う 「LF DIRECT」を採用。さらにコンパクトながら大出力の100Wアンプ。 キャビネットは突き板光沢塗装で、非常に高級感のある仕上げだ。 音質の面でも響きが良くなるとのこと。直線を強調した形状は 精悍さを感じさせる。
高い剛性と軽量化が図れるハニカム(蜂の巣)構造のユニットを採用、 応答性の向上と低域再生能力の拡大を図っている。 内蔵アンプも100Wとハイパワーだ。 ラウンドした形状の外観が温もりを感じさせる。 直線を基調としたデノンの33XGとは対照的な印象。
上で紹介したデノンの別シリーズモデル。MDFを曲げて成型することで 適度な張りを与え、しなやかな響きを持たせたキャビネットを採用。 33XGと同じく「LF DIRECT」も採用。 ユニットは13cmと小さいが、特殊エッジゴムと140Wの 大出力アンプでカバーしている。 表面は光沢仕上げで、三角形の形状と合わせて高級感が溢れている。 高さが510mmと他モデルに比べて大きいが、形状の工夫からか 視覚的にさほど圧迫感は感じない。
現在活躍中のメインスピーカーと同じメーカーということで モニターオーディオのモデルも取り上げよう。 100WのアンプとUltra long-throw sub bass driverを搭載し ハイスピード化を実現したとしている。 今回の中では唯一の密閉型で、音楽再生を重視して 低域の量感よりもレスポンス重視という姿勢が見える。 仕上げはリアルウッド付き板。他モデル全てが下部に黒のベースを 設けているなかで、本機は金属の脚を採用している。 写真のローズマホガニーも含め5色が用意されているが、 中でもホワイトのモデルの美しさが印象的だった。
今回は主に外観に注目した特集となったが、音質にもあまり妥協したくない。 その点でも、各モデルとも技術的な強みも併せ持っていて 選ぶ者を悩ませるなあという感想を持った。 値段が高いことを除けば、Radius360のホワイトモデルに惹かれる。 ホワイトのサブウーハーというのは斬新だ。仕上げも上質。 金属の脚部も高級感があり、メインスピーカーと同メーカーと いうこともあり音質的には信頼できる。 ただ、一番安いのと比べて4倍以上の価格差があるのは・・・ 次いでヤマハFSW100。薄型で壁に沿って設置という斬新さが光る。 「新世代サブウーハー」とでも言いたくなるようなモデルだ。 これ以外も、実直な作りのONKYO、光沢仕上げが美しいデノン33XG、 ユニットにこだわったビクター、ラウンド&光沢キャビネットが 美しいデノン5Lと、各社とも明快な主張が感じられた。 |