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BSD物語
 

「これ! これこそ私が求めていた物ですっ!!」
深夜2時、ティナは中空ディスプレイに表示された「有る情報」を見て、早速入手の手配を始めた
 

CH94:接近戦闘用武器
 

「おはようございます、ご主人様。」
リビングにはいるとティナが挨拶をしてきた。手にはナイフとリンゴを持ち、器用に皮を繋げたまま剥いている。機械の如き正確さで剥くのは流石にUnixネコミミメイドならではと言うところだろうか。

ふと、彼女が手にしているナイフに目が止まった。普段屋敷で使っているナイフよりもう少し小振りなそれは些か使いにくいように思われた。そのサイズ、果物ナイフと言うより昔の日本でよく使われていた刀子(とうす)を思わせた。

「それ、刀子?一体どうしたの??」

「以前、レイナより『キッチン内での超音速戦闘禁止令』が出されまして、それ以降妖刀アクセスリストでの接近戦に変わる戦闘スタイルを検討していたのですが……この方を見て閃きました」

そういって、ティナは中空ディスプレイに一人のメイドの姿を映しだした。

「十六夜 咲夜」

時間とナイフを自在に操ることで、とある屋敷を護るメイド長だ。

「つまり、自分が超音速機動する必要がある妖刀アクセスリストの変わりに今後はナイフを主体にした接近戦闘を導入すると?」

「障害物の多い屋内では日本刀でも振り回しに難があります。と言うわけで、投げて良し、振って良し、刺して良しのナイフを導入してみようかと思った次第です」

「投げて良しって投げたらナイフ無くなるじゃないか」

「ご心配なく、こんなにたくさんありますから」

にっこり笑うとティナは一瞬にして両手にナイフを十数本顕わした。その持ち方はまるでDi○の様だ、だが・・・・・・

「ティナ、リンゴ剥いている途中でそう言うことするとどうなると思う?」

「あ」

見事にリンゴは下に落ちていた。まだ皮が残っている方が下向きで落ちたのが幸いだった、水洗いすれば十分だろう。

「後できちんと掃除しておくように」

「……はい」

どうも、うちのティナは時々とんでもないポカミスをする時がある。たいていの場合レイナがフォローにはいるのだが、一体誰に似たのやら

……やはり私か?(汗)
 
 
 

   ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その94

ティナにDi○的ナイフ投げをさせてみたかった、それだけです。
時間は止められません。ただし、超高速機動で擬似的に再現は可能です。多分。