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BSD物語
 

屋敷の家事統括とファイルサーバ管理を主な業務とするレイナがフルメンテの為に北欧のギルドへ里帰りして早2ヶ月が経った。
 

CH93:戦線復帰
 

その日、管理人の朝は遅かった。
ファイルサーバ群の接続に不良が出て一部のサーバへのアクセスに遅延が発生していた。ネットワークかサーバプログラムかの原因切り分けに時間が掛かり、作業は深夜2時から明け方まで掛かっていた。

「流石に徹夜が体に堪える年になってきたか・・・・・・」
体の芯に溜まった重い疲労を軽く体を動かすことでほぐしながらリビングへ向かうとベーコンの焼ける香ばしい臭いが漂ってきた。
何時もの通りリビングのテーブルにはナイフやフォークが並べられ、電子新聞は既に情報がトピックスの形で整理されていた。

「お待たせしましたわ〜」
目の前一面に展開していた電子新聞を一時縮小すると目の前にはモーニングプレートが展開されていた。

香ばしく茶色に焼かれた薄切り食パン、かりかりに香ばしく焼かれたベーコン、私好みに良く火を通された炒り卵、ほか付け合わせのベーコンやフライドポテト、フレッシュオレンジジュースとくればれっきとしたイングリッシュブレックファーストである。

「おはようございますっ!」
朝市から元気な挨拶に振り向くと朝からハイテンション(高電圧?)なティナが其処に立っていた。今廊下からリビングに入ってきたと言うことは、キッチンで朝食を作っているのは……?

「おはようございます、ティナさん、まもなく朝食出来ますのでお座りになってお待ち下さいな」
「レイナ!? 何時帰ったの!!?」
「本日始発の超音速連絡便で帰って参りました〜」
「超音速連絡便って……就航したばかりの奴だろ?恐ろしく高い」
「メンテが遅れたお詫びにとギルドのウィザードの皆様が手配してくれました。」
「遅れたのはウィザード達の責任じゃあないだろ。全く義理堅いんだから……」
「お帰りなさいですぅ」
「あらあらミニレイナちゃん、あとで作業レポート見せて下さいね」
「ハイですぅ」
「あ〜!酷いよレイナおねぇちゃん!先に帰るなんて!!」
「あら、メイルも付いたんですか」
「マスター、聞いてよ! レイナおねぇちゃんたらボクが空港で手続きしている間に自分で先にウェイト外して全速で帰っちゃったんだよ。荷物どうするつもりだったの?」
「あらあら、忘れていましたわ〜」
(忘れるとかそういうレベルじゃないだろ……)
「おや、すっかり何時ものメンバーだな」
「……美宇、いつの間に帰ってきた」
「丁度先ほどだ」
「はぁ、すっかり何時もの賑やかな屋敷に戻りましたね」
「マァそう言うな、ティナ。」

「あ、遅れましたわ、ご主人様。『Reina=Torvalds本日より業務に復帰いたします。マスター、着任の許可をお願いします』」
「『マスターより、着任を確認する』宜しく頼むね。」
「はい!」
 

斯くして、屋敷には何時ものフルメンバーが戻ったのだった。
 
 

   ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その93

年末年始を過ぎようやく屋敷にフルメンバーが戻ってきました。
また賑やかなSSを気が向いたときにお届けできると思います。
8周年を迎えたこのサイト共に今後共宜しくお願いします。

m(_ _)m