〜3日目〜 朝は、カラスの声で目が覚めた。昨日の夜は気が付かなかったが、窓からは十字架の架かった「津和野カトリック教会」が見える。近くには観光バスの駐車場があり、この日も朝早くから、到着したバスから降りて観光をする人たちの姿が見えた。1階のレストランで朝食を済ませ、この日は、まず雪舟の庭園を見るために、萬福寺へ向かうことにした。 |
萬福寺 |
![]() 益田川を右手に曲がり、国指定文化財の雪舟庭園・萬福寺へ。萬福寺境内には雪舟の銅像があった。本尊は阿弥陀如来様。島崎藤村が「古大家の意匠になれる庭を前にしてしばらく旅の時をおくる」の歌を残した雪舟庭園を拝見させていただく。430坪の庭は、文明年間に雪舟によって作庭されたもの。小高い石組の集団は、悟りの境地とも、仏教の世界観とも云われ、雪舟の墨絵にも似通っている。しばし心の浄化をさせていただき、5分ほどの距離の医光寺へ。 |
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医光寺 |
![]() 雪舟が第5代の住職として招かれた寺で、本尊は薬師如来様。庭園の前の和室には、雪舟の逸話として有名な、縛られた幼少時代の雪舟の置物があった。身体に悪い個所を撫でれば御利益があると言われている。 *雪舟の逸話 雪舟が幼少時代、僧侶の修行をするために、現在の岡山県総社市の宝福寺に預けられた。もっぱら絵を描くばかりでお経を読もうとせず、和尚に罰として柱に縛られた。 和尚が縄を解きに行くと雪舟の足もとに大きなネズミがいて、咬まれては大変と追い払おうとしたが、ネズミは逃げようとはしなかった。よく見るとそのネズミは雪舟が足の指を使って、落とした涙で描いたものだったのだ。 |
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美都町・双川峡 |
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![]() 町の人が駆け付けると、女性ではなく、京都の清水から飛来した十一面観音様があったという語り伝えがあり、いまでも十一面観音様を祀った六地蔵・観音堂が滝の前にある。 また、落下した滝が岩の所で二手に別れて流れるところから、峡谷の名前の云われにもなっているが、山陰水害の影響で岩の位置が動いてしまったために、いまでは、一応二手に分かれてはいるが、片方向への水の勢いはあまりなくなっている。 しかし、荘厳な滝を目の前にすると、心が洗い清められるから不思議だ。 この日は自費負担で、日原町に泊まることにする。 |
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