〜4日目〜 日原町から津和野へ再び戻る。 |
津和野・殿町通り |
津和野の殿町通りは、昨年12月に新しく生まれ変わり、白壁と堀割の道は歩きやすくなっていた。堀割には悠然と鯉が泳いでいる。日曜日ということもあって、殿町通りはひっきりなしに観光ツアーが行き交っていた。また、レンタサイクルもあるようで、レンタサイクルで町を回っている姿も数多く見受けられた。 歩いていると、一団の観光ツアーと一緒になってしまった。観光ツアーの添乗員曰く「人口6000人の津和野町には、鯉が8万匹居ると言われています。このままだと、人が居なくなって、鯉だけの町になってしまうかも知れませんので、津和野で宿泊した際には、宿に住民票を置いて帰りましょう」と冗談を交えて話していて、こちらもつられて笑ってしまった。 |
津和野は、山陰の小京都として親しまれ、多くの文人たちも輩出している。津和野の町を散策していると、作家の「中村吉蔵の生誕の地」を見つけた。 記念館にもなっているが、日曜は休館であった。 また、今年になってからは、津和野駅の程近くに「安野光雅美術館」が完成、また「道の駅・津和野温泉なごみの里」など、観光資源の発掘にも力を入れている。 お土産は津和野を代表する「源氏巻」と石州和紙で作られた「和紙人形」を買い求めた。「源氏巻」は、元禄時代の津和野城主亀井氏の家老が、吉良上野介に、源氏巻の下に小判を入れて、吉良の怒りを買わずに済んだという逸話が残っている。 以上で、長いようであっという間だった島根県縦断の4日間の旅が終わった。出雲神話の神秘的な話の世界から、最近整備された施設まで、実に多くの島根県の姿を垣間見ることができた。天候も、初日こそ雨に降られたものの、残りの3日間はお天気に恵まれた。また、全般的に穏やかで過ごしやすい気候だったのも良かった。今回は、島根県の東部から西部までの隅々を慌ただしく回ってみたが、まだまだ行ってみたいと思う個所が何カ所か残っている。また、一度訪れた所でも、季節が違えばまた違った姿が見えてくるはずだ。島根県全59市町村のうち、今回車窓だけで観光したところも入れると、18の市町村に立ち寄らせて頂いたことになる。改めて、今回の旅を企画していただいた、「インパク島根県」に感謝を申し上げたい。 また近い将来、再び島根の地へ旅をすることを誓って、この項を終わらせて頂く。 ありがとうございました。 写真・文/埼玉県・大塚雅彦 同伴者(母・大塚澄子)の感想 『蜆船』 息子(雅彦)がしまねパビリオンに入選して、もう一人連れていくことが出来るとのこと。最初は娘(美佳)が、行く予定でしたが、学校の都合上、私が賛同することになりました。初めての島根県訪問であり、とても楽しみにしておりました。15日旅立ち、松江駅に午後到着しました。安達様と永岡様が、にこやかに駅で迎えてくださいました。コーヒー店で、企画の話をしました。雨が強くなりましたので、タクシーでとりあえず、「ホテル一畑」に荷物を置いて、出掛けることにしました。 早朝、私は、びっくりした光景を見ました。私は、東京生まれのため、初めて見る光景でした。ホテル前の宍道湖に、沢山の小舟が浮いており、中には湖の中に、直接入り、蜆を採っている人がいました。温かい部屋から見ている自分がなんだか恥ずかしいような気がしてきました。生きること、生活力のたくましさに、頭が下がる重いがしました。この人たちは誇りを持って働いているのだと思ったらなんだか羨ましくも感じました。土地の人たちには、いつもの行動だと感じているかも知りませんが、私に勇気を与え、感動を下さいました。 ありがとうございました。 |
←《BACK》 |