☆ Diary 4.5 ヴァレンタインディ2004 ☆
フランツVer.
〜2月14日 晴れ〜
‘チョコレート渡したいから会ってくれる?’
なんてお誘いが来たので慌てて支度して外へ出た。
昨日何にも話がなかったので、まさかそんな馬鹿な…と多少は不安になっていたところだから
歩きながら顔が緩む。。。いけない、いけない。これじゃ怪しい奴だって(苦笑)
「フランツ!早かったのね(*^^*)」
含羞んだ笑顔がいつにも増して可愛いのは気の所為じゃないな。
とっても気合入ってるだろ〜サファイア!
ダメだよ!こんなんで外歩いちゃ!あー、もう!!次からデートのときは自宅にお迎えだ!!
「…あのね、これ。もらってね★」
差し出されたのは‘home made’なんて印刷された小箱。
「ありがとう」
…真っ赤なリボンに照れちゃうんだけど。
小さいけど結構ずっしり…ケーキかな?
…ん?なんだか視線を感じる。顔、やっぱり緩んでる???
何?って聞いたらおずおずと切り出した。
「…イヤじゃなかったら1個で良いから今食べてくれる?」
厭なわけないだろ〜!!ご要望とあらばすぐにでも食べますよ。
あ、でも一気に食べるのは勿体無いかな、大切に惜しみつつ頂きたい気も…
ああ、トリュフだ。それも4個。
「いただきます」
押し頂いて口に入れた。
…なんだか微妙な味がする…香辛料っぽい!?不味くは無いけど。
正面からじーっと見られる手前、不思議な味とは言えないよなぁ。
「美味しいよ、有難うサファイア(^^)」
「…なんともないの?」
「は!?」
なんともって何なんだ?まん丸な目で僕をじーっと見て、は〜っとため息をつくサファイア。
意味不明だぞ!
「どうせそんなことだろうと思ったけど。そうだよねぇ。信じてなかったけど…」
サファイアが拗ねたように呟いてる。
…えーと。何がどうしたって?
「きゃあ!手、離して。。。恥ずかしい」
「離して欲しかったら、ちゃんとわけを話して」
腕の中のサファイアが言うには、さっきのチョコの中には媚薬なるものが入っていたそうな。
「媚薬?…サファイア、今ここで押し倒しちゃってもOKなの!?」
「ちーがーう!!!もう、男の子ってどうしてそうHな方に行っちゃうかな!」
それは、まあ、ほら自然の摂理だから(笑)
「…フリーベが見つけて来たの。媚薬っていうか…惚れ薬っていうか、そーいうの。
食べて最初に見た相手のこと好きになって
他の人なんて目に入らなくなっちゃうんだって。。。
信じてたわけじゃないけど、ちょっとは効果あるかなーって。
あ、あのね。本気じゃないんだってば!ちょっとだけ。
ただの冗談のつもりで…」
最初は勢いこんで話していたのに、だんだん声が小さくなってお終いのほうは聞こえなくなっちゃった。
俯いてる耳まで赤い。。。
「サファイア」
え?と顔を上げた目許がちょっと潤んでる。
そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。
‘…薬、効いてきたみたいだ…’囁きながらそっと唇を重ねた。
サファイアは全然気付いてないよーだけど
媚薬なんて使われなくても他の子なんて全然気にしてないんだよねぇ。。。
<Diary4.5 ヴァレンタインディ2004 おしまい♪>
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