ARMORED CORE BATTLE FIELD OF RAVEN


第42話   仇―業火の紅―




 自分の部屋の戻った青年。
 部屋で一通のメールを受けとった。
 それは青年が待ち望んでいたもの。
 先程の仕事の疲れも忘れすぐにそこへ連絡を入れる。
 「よう、ノア、帰ったか」
 「帰ったか、じゃねえ!ニード!これは本当なのか!」
 知り合いの情報屋『レオ・ニード』に向かって叫ぶ。
 「ああ、もう、うるせえな、本当だ、まったく3年前の事なんか探させやがって」
 「依頼したのは2年も前だろうが!」
 「わかってねえな〜、この超情報機密時代の裏世界の情報なんざ3日前でも苦労するんだよ。
  ましてレイヴンだぞ?より自己機密を徹底させてるんだ、1年だって短い位だぜ」
 「ああ、わかったよ、それで、どんな奴なんだ?」
 「焦るなよ、今転送してやる」
 ピコッ、と言う音と共に受信が終了する。
 「こいつらか・・・」
 「ああそうだ、フリーのノーランカー連中の2人さ。
  今日見つけた情報だと隣のヘクスシティーにいるはずだ。
  ついでにこいつらは3年前の例の仕事で1人チームを組んでた奴が死んでる」
 「そうか・・・分かった、報酬はそっちに後で送る、それと移動されると困る、
  移動したらその移動先を逐一リークしてくれ」
 「了解了解、追加料金払えよ」
 「はいはい」
 知り合いの情報屋に頼んでおいた情報、自分がレイヴンになった理由。
 親友達を含めた仲間達を殺した奴等。
 ついにその仇を討てる。
 そう思うと青年、ノアの鼓動は自然と高鳴った。



 「そうか・・・わかった」
 そう言って通信機を切る。
 情報屋、レオニードによると例のレイヴンはとある企業の重要物資護衛の仕事を引き受けたらしい。
 そこで彼はその企業い敵対する企業お仕事を引き受ける。
 すなわち『重要物資強奪』の仕事を。

 「深部までは無人機が先行します、敵が出てきた場合は、レイヴン、お願いしますよ」
 「了解」
 短く返答し、ACの戦闘モードを起動させる。

 この仕事を引き受けたのは彼を含めて3人。
 1人はいかにも傭兵らしい男、ACにはハンドグレネードとブレードで構成された中量逆間接機。
 もう一人は一般市民らしさが抜けていない男、ACにはとにかく高火力を施したブレードを装備していないタンク型。
 ちなみに彼自身はマシンガンを装備させた軽量2足AC『ライトキラー』である。


 「最初は私が無人機に続きます、こういった狭い空間では私の機体の火力は回避できないでしょうし」
 そういってタンク機が続く。

 ・・・知識のみのレイヴンか。
 ノアはそう分析した。
 一定以上に狭い空間では逆に火力は使いにくい。
 敵は逃げるか接近するしか手が無い。
 そして接近された場合、よほどの腕の差がない限りブレードで切り裂かれるからだ。
 それに軽量機とは言っても1発2発で撃墜されることはまず無い・・・
 そしてここはその一定以上に狭い。
 ノアはそんなことを考えていた。


 30分後。
 深部にある扉を開ける。
 自動式らしく、通った後は閉まってしまった。
 「広いところに出ましたね」
 「・・・普通ならこのあたりで護衛の本命が出てくるはずだがな・・・」
 無人機は既に破壊された、だが洞窟が一本道だったため彼等は迷うことなく深部に進めたのであった。

 「その通りだ・・・」
 声はさらに奥から響いた。
 それは2機のAC。
 親友達の仇。
 情報通りのアセンブル。
 情報通りのカラーリング。

 「よくぞいらっしゃいました、自ら死にに来るとはいい度胸です」
 「私の名はヘルフィーア、そしてこちらは・・・」
 最後まで聞く気は無かった、自己紹介を悠長に始めた2人のうち、1人を選んで接近、一刀両断した。
 「もう一人の名は・・・聞くまでもない!」
 青年はそう断言した。

 もう一方を睨みつつ、冷静に分析していた。
 腕には火炎放射器とブレード、それに肩には小型ミサイルと大型ロケット・・・
 「何をしている!さっさと挟み撃ちにするぞ!」
 作戦共用の周波数で発破をかける。
 「りょ、了解!」
 「承知・・・」

 大型ロケットを回避する。
 そして次の瞬間、彼、ノアは信じがたい物を見た。
 両断されたのだ、タンクが。
 「なっ・・・」
 「ふふふ・・・この火炎放射器、見くびってもらっては困るのだよ!」
 全チャンネルで呼びかけてくる機体「ヘルフィーア」
 一瞬でタンク型の熱い装甲板を両断するほどの火炎を生み出す。
 それはまさに地獄の業火に相応しく・・・
 全てを飲み込まんと、激しく燃えていた。
第42話 完


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後書き代わりの座談会

本日、諸事情により座談会休止。
てかそろそろみんなして受験期だし。


42話です。

今回趣味に走った敵です。
火炎放射器ですから。
それも並の放射器じゃなくて一撃でACの装甲を両断するほどの。





さて、どうやって倒すか、その手段は考えてあるけど実際そうなるのかな?<お前が言うな






まあ今日は特に書くこともないです。