ARMORED CORE BATTLE FIELD OF RAVEN


第18話   閉ざしたココロ




 「現在飛燕分隊の第3、第4小隊は戦闘には参加は不可能です。
  これについての・・・」
 「そして敵ネオ・バグについての新情報なんですが・・・」
 会議が奇跡的なまでにスピーディーに進んでゆく。
 2時間ほど予定されていた会議は40分ほどで終わった。
 ミリアムはその足でガレージへと向かった。



 「エラン教授、例のACについて・・・」
 「ええ、それについては後は微調整を残すだけです、
  ・・・ついでと言っては何ですが、貴女のACの武装系統ですが、少々改造させていただきました」
 彼、若き教授、エラン・キューズはそう言った
 「・・・スペックなどはありますか?」
 「ええ、こちらです」
 受け取り、熟読する。
 「・・・ありがとうございました、失礼します」
 彼女はそのままトレーニングルームへと向かった。



 「彼女の戦闘能力、確かなものになってきましたね」
 「ああ、白兵、操縦共にほとんどがBランク判定以上だ、俺達以上の兵士になるかもな」
 そんな話を横で聞き流し、訓練状況を見るミリアム。
 終了したのか部屋から出てくるカリナ。
 「やるなぁ!お前!」
 率直にカリナにすごいすごいを連発するトガワ。
 「これならすぐにでも実戦に対応できそうですわね、ミリアムさん」
 先程のシミュレーション結果を分析しつつカリナに笑いかけるユキムラ。
 「・・・」
 その光景を横目に見ながら既に内容を暗記するほど読んでしまった文庫本を手に取り読んでいるミリアム。
 「ハーディーさん?」
 不思議そうな目をしてカリナが話しかける。
 「ああ、何かな」
 文庫本から目を離しカリナに視線を投げかける。
 「ユキムラさんが敬語使ってるけど、年上なんですか?」
 彼女の目には―事実そうであるが―ミリアムがユキムラより年上には見えなかった。
 そしてその答えは横からした。
 「違いますよ、私とトガワさんは同い年で20歳です、それでミリアムさんとあなたは16歳なんですけど、
  戦局を冷静に分析したりする能力に私達の中で最も長けているため、隊長なんですよ」
 「ええ〜!トガワさん20歳なんですか〜!全然老けて見えますよ〜!」
 とても悲しそうだった。
 「あ、ところでちょうど同い年なんだし、ミリィ、って呼んでいいカナ?私もカリンって呼んで欲しいし」
 笑顔でミリアムに話しかけるカリナ、後ろでぎょっとする二人。
 「・・・いいよ、カリン」
 笑顔でそれに答えるミリアム、しかしどこか儚げな笑顔で、作り物のようで・・・
 悲しみが僅かだがそこにあった。
 「よっしゃ、いい感じになってきたな、俺達!」
 トガワが乗り出し、二人の右手をつかみ、無理矢理握手させる。
 「これから、バリバリやっていこうな!」
 その直後にあることに気付く。

 彼女は自分の体を触られることに異常なまでに嫌悪感を覚える、ということを。

 「あ、悪りぃ・・・」
 パッと手を離す。
 「いや・・・別に」
 普通に答えるミリアム。
 「じゃあ私はアセンブルの結果を見に行くから・・・」
 そう言ってミリアムは部屋を出た。
 「・・・しかし、アイツも性格が丸くなってきたよなぁ」
 トガワが吐息混じりに一言。
 「そうですねぇ」
 「そうなんですか?」
 カリナが不思議そうに聞く。
 「ああ、あいつは他人となれ合うことを滅茶苦茶嫌がるんだぜ。
  さっきだってそうだ、思わずお前の明るさにつられてつい腕を握っちまったがな、
  今までなら確実に空気が凍ってたぜ」
 やれやれ、と、いった表情で答える。
 「そうなんですか?」
 やはり不思議そうなカリナ。
 「そうさ、アイツの気にしてる両目について言って何もなかったのもお前が初めてだぜ」
 「ええ〜?だって本当に綺麗だったからそう言っただけなのに〜?なんでそんなに気を遣うの?」
 今まででもっとも分からない、といった表情のカリナ。
 「きっと、そう言う優しさが彼女のココロを開いてゆくんですわ」
 くすくす笑いながらユキムラが言った。



 そのころ、ミリアムはAC整備場には行かず、洗面所にいた。
 一言も発せず、辺りには右手に当たる水音のみが響く。
 五分ほど経ってから、水を止め、一言だけ発した。
 「・・・気安い」
 と。
 彼女のココロは、未だ閉ざされたまま。
第18話 完


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後書き代わりの座談会

ジオ「18話やね・・・」
ノア「・・・おう」
ルシード「うむ・・・」

注:ジオ、ノア、ルシードの3人はこの日、春休みの宿題の多さにフラフラ来てます。

カリナ「暗いよ〜、3人とも」
ミリアム「そうそう、明るく明るく」
ジオ「そうはいってもなぁ・・・というか宿題はおいとけ!座談会なんだしよう」
ノア「そうしよう・・・エラン教授がついにその御姿を現したことだし」
ジオ「嫌みか、それは?」
ミリアム「それはいいとしてさ、私って潔癖性?」
ジオ「ちゃうわい、人に触れるのが怖い、っていうタイプの人とかって聞いたことあるだろ?そういうことだ」
カリナ「ところで、この部の主要人物っていうかの説明文とかは書かないの?」
ジオ「言うなよ・・・まぁ書くけどさ、2人のACアセンブルまで書くのがきついっての」
ルシード「確かにそうだな、どんなACか全然書かれてないからな・・・」
ノア「でも多少の構想はあるんだろ?」
ジオ「まぁ少しは、な・・・(宿題が増えたような気がして凹み気味です)」
ミリアム「ところで空気が凍るってどういうこと?」
ノア「受けると思ったギャグが滑ったときとか・・・」
カリナ「起爆装置をうっかり落としちゃった瞬間とか」
ルシード「それはまずい(即答)」
ジオ「まぁ例としては2人の言ったことでいいんじゃないのか?俺もそんな感じで書いてたし」
ノア「まぁ別の表現をするなら『一触即発』ってやつだ」
ジオ「いいこと言った、それだ、それ」
ミリアム「四字熟語?それなら魑魅魍魎の跳梁跋扈する阿鼻叫喚の地獄絵図とか・・・漢字書けないけど」
ジオ「難しきゃイイって物でもないだろ?はぁ・・・終わり終わり」
カリナ「そうねぇ、ちょうどイイかしら?」
全員「次回もよろしく」