ARMORED CORE BATTLE FIELD OF RAVEN


第14話   暴走




 オルフェラウス。
 この言葉を聞いた時、全ての記憶がよみがえった。
 憎しみの対象も俺の先にいた。
 そして、俺は暴走を始めた。



 「中枢システムが破壊されました!サブシステムでの修復、間に合いません!爆発します!」
 「総員退避!退避だ!」
 壮齢の士官らしき男が指示を出しながら、ハッとして気が付く。
 「リオル様は!?リオル閣下はどこに居られる?」
 「現在位置不明!」
 「総員に通達!退避しつつリオル閣下を助け出せ!」

 助け出された少年は瀕死だった。
 正確には既に死んでいた、特別な延命方法『強化人間化』によって、少年は生き延びた。



 俺は全てを破壊した・・・
 人を、建物を、目に見える全てのモノを・・・

 そして、彼の言葉を思い出す。
 「殺せ」
 いままでの全てを失い、そして命まで奪えと奴は言う。
 それは今まで無かった感情、殺意。
 それが・・・暴走の理由。



 2人は予想もしていなかった。
 まだACに拮抗しうる力を持った機体が残っていることを。
 しかもそれが目前に立ちはだかることを。
 「ちぃ・・・まだ兵力がいたのかよ?」
 ノアは思い切り毒づいていた。
 「きついな・・・」
 既に2人とも弾薬は殆ど残っていない、2人ともブレード―それも出力の落ちている―だけしかなかった。
 「どっちにしろ、ジオの救援は難しいな・・・」
 「ああ、こっちが救援を頼みたいくらいだ」
 言って2人は敵陣に飛び込んでいった。



 「あれは・・・しまった」
 ラグは見た、ダインスレイブのマークの入った飛空挺を。
 そして後悔していた、ジオと離れてしまったことを。
 「間違いない、ダインスレイブだ」
 そして彼は知っていた、ジオは何者で、何故異端なる力を有しているのか。
 「間に合えよ・・・」
 そう願いつつ、バイクを走らせた。



 どこかで声が聞こえる・・・
 それが自分の周りの声だとようやく分かる。

 「兄さん!やめて!兄さん!お願い!」
 「そこをどけ・・・カリナ」
 彼を斬った刀を握りしめ、刀を振り上げる。
 「お前は知らないのだ、そいつに秘められた忌むべき力の事を」
 「力のことなら知ってるわ!」
 「お前の知るのはそいつのほんの一部でしかない、こいつは我々が生み出した、殺戮兵器だ」
 説得が出来ないと彼女は知った。
 「なら・・・せめて私を斬り倒してからにしなさい!」
 彼女は、これ以上仲間を失いたくはなかった。
 失ったものだけが知る感情。
 「そうか・・・」
 奴は躊躇うことなく刀を振り下ろした。

 そして『彼』はその刀を握りつぶしていた。



 「・・・間違いないわ・・・」
 ミリアムは見つけた、見つけるべき者の居るところを。
 飛空挺、それも巨大な。
 それは突き詰めれば勘でしかない。
 だがミリアムは走った。
 兄のもとに。
 仲間のところに。



 「ジオ?」
 彼は無意識のまま立ち上がっていた。
 ターゲット・『リオル・ヴァーノア』に向かって。
 空気が震えていた。
 『ジオ・ハーディー』の心は消えていた。
 そして殺意という感情が吹き出してくる。
 『バーン・グリフィス』という名前を取って。

 バーン・グリフィス、マネージャー『ラグ・ヴォイド』によって名付けられた仮の名前。
 そして、今はこの瞬間、この力を解放した瞬間をこの名で呼ぶ。

 そして、ギーレン、及びその指揮下の射撃部隊が二人の間に割ってはいる。
 そしてリオルは飛空挺に戻るべく輸送艇に戻った。
 「すぐにこの輸送艇を飛空挺に戻せ、そして飛空挺もこの都市を離脱しつつ主砲を発射するよう伝えろ」
 「了解」
 絶対的信頼、そこに居る部下には微塵も上司を疑う者は居ない。



 ギーレンはジオの正面にたち、部隊を展開させる。
 「最早こんな物が通じるとも思えんが・・・」
 少しでも主砲発射までの時間が稼げればそれでいい。
 そう決断した、最早自分の命は捨てた。
 「撃て!」
 数百もの弾丸が正確に人体の急所に突き刺さる。
 そのはずだった、しかし全ての弾丸は中途の空気ではじけ、一つとして当たることはなかった。
 「き、効かない?」
 「も、もう一度だ!もう一度!」
 部下達はまともにうろたえた、
 正確無比なはずの自分たちの射撃が一つとして当たらないのだ、うろたえないのは全てを知る者達だけであろう。
 「ん、何だ?」
 一人の部下が一人の男に気付いたのはそれから数秒後のことである。
第14話 完


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後書き代わりの座談会

ジオ「はい、14話」
ルシード「ちゃんと爆発前があるな」
ジオ「そりゃ、あれだけ言われりゃあのくらいのシーンはプラスするぞ」
ノア「って、リオルも強化人間だったのか?」
ジオ「その通り、そのくらい強くないと同じ強化人間の皮膚は斬れないって」
カリナ「皮膚まで強化するの?強化人間って」
ジオ「当然だろ?どこか強くしようとしたら全部強くしないと軋みが生じる」
ミリアム「どこかでやってたわね・・・」
ノア「ああ、確か空想科学読本系のどれかだったと思うけど」
ルシード「それにしても、テスト期間中によく集まったな」
ミリアム「あれ?そうだったの?私達は先週テスト終わったわよ?」
ノア「おい、ジオ」
ジオ「ああ、知ってたり」

ノアのパンチが腹に炸裂。

ジオ「それで次が一応第1部の最終回になる予定だけど・・・」
ノア「馬鹿な?直撃のはずだ!」
カリナ「シャアはやめなって、似てないんだから」
ジオ「だからガンダムに持っていくなって」
ミリアム「っていうか、まだ第2部とかあるの?」
ジオ「当然、前に書いてもらったろ?アレをリファインして書く」
(注:ホントに前、2000年の夏休みくらいに書いてもらいました)
ルシード「ところで、飛空挺を脱出させろ、ってここは密閉された都市だったよな?どうやって出入りするんだ?」
ジオ「うむ、それは全天候型野球場を思い浮かべればいい」
ミリアム「全然わかんない」
ジオ「まず最外部には当然防壁がある、その内側に第二次防壁があって・・・という風に5、6枚ある。
   それが開閉式なんだ、当然開閉速度は遅いがちゃんと開く。
   で、まず1つが開く、それともう一つ上の防壁の間まで移動するとその防壁が閉まる。
   そうすると次の・・・っていうふうになってる」
ノア「あれ?たしか外部って汚染されてるから閉鎖してるんだよな?」
ジオ「当然外から入るときは殺菌措置が入る」
カリナ「それならさっさと外部にも殺菌処理すればいいんじゃない?」
ジオ「残念、それは人工物以外は耐えられない、言ってみれば超高温の蒸気か何かを使った滅菌法なんだね」
ノア「・・・そんなの使うと植物にどんな影響が出るか分からないって事か?」
ジオ「まあそんな風だと思えばいいと思う」
ミリアム「そんな適当でいいのかなぁ?」
ジオ「ところで設定はもうイイとしてストーリーも大詰めです」
ルシード「無理に場の空気換えようとしてるし・・・」
ジオ「いいだろうが、妙に今回長いし・・・テープを起こすのも結構大変なんだぞ」
ノア「じゃあ自分で書け・・・」
ジオ「だぁらそれが面倒だし何より自分でも気付かない事とかもあるだろが」
カリナ「五人の方がそう言うのが見つかる可能性も大きいって?」
ジオ「そゆこと、じゃあ終了にしよう、長くなったし」
ノア「・・・そうだな」
ジオ「次回は大詰め!」
全員「お楽しみに!」

テープ起こしが終わって気付いたが・・・
今回ようやく現代に戻ったことが話題にも登ってねぇ。

追記:この座談会は2001年2月24日に収録されました。