ARMORED CORE BATTLE FIELD OF RAVEN


第3話   アリーナの二位 後編




 「遅かったな・・・」
 「どっかの馬鹿が時間も調べずにアリーナなんかに呼ぶもんだから手間取ったんだ」
 「ふん・・・ほざけ」
 ジオは会話しながらモニター越しに敵となるレイヴンを見ていた、彼と同じ重量二脚と六連ミサイル・・・
 腕にはバズーカ・・・どことなく全てのパーツが今日戦ったときよりも大きく見えるのは気のせいか?
 増援の反応もない?こいつ・・・自分一人で昼間敗北した相手と戦おうと言うのか?
 彼は全ての計器をチェックし終えて考え込む。



 「ねえ、エレナちゃん、本当にあれでいいの?」
 「あれくらいで死ぬようならあれは失敗作なんだから問題はないわ」
 「そうね・・・」
 「でも・・・NO『09』がここで死ぬわけないけど・・・」
 「そうね・・・『ナインボール』は・・・彼の者なんだから」
 「2人とも、お喋りはそこまでだ、そろそろ始まるぞ」
 「そうね、ミシェイル、ちゃんとデータは取らないとね」



 「行くぞ」
 ミサイルを放つアクセル。
 予想外の光景が彼、ジオを襲う。
 30発のミサイルが飛んできたのだ。

 違法改造?
 FCSリミッター解除か!

 「くそっ!」
 舌打ちしながら即時に判断して迎撃用意に入る。
 ミサイル迎撃用の通常バルカンじゃ全然足りない!
 仕方ない・・・
 さらに一瞬で判断すると。
 「戦闘システム第2段階に移行します」
 無機質なコンピューターが音声を吐き出す。

 「なに!?」
 奴は驚いているようだった、そりゃあそうか・・・
 一瞬で30発ものミサイルを全弾撃墜すりゃあ・・・
 まるで他人事のように『ジオ』は敵を見ていた。

 どうという物ではない、
 ただプラス特有の能力、『神経をダイレクトにACに接続』しただけだ。
 それとジオ機も違法改造を施してある(当然普段は使わない)から
 30発ぐらいなら余裕で撃墜できるのだ。
 「覚悟しなよ・・・今回はレフェリーが入らないぜ」
 「ちいい!」
 バズーカにも何か改造を?
 それを考え終えるより早く。
 「くらえ!」
 回避行動に移ろうとしたとき、敵機の弾が増えた。
 弾が途中で分裂したのだ。
 撃墜できるほど弾が小さくない!?
 その上数が多すぎる!
 「こうして戦っているとき、貴様の仲間の心配はしないのか?」
 な・・・まさか!
 驚きのために、一瞬『ジオ』は動きを止めてしまった。
 ・・・しまった!
 動きを止めて・・・
 「きゃはははははははははははは!嘘だよぉ!死にな!」
 そうかい・・・
 「それを聞いて安心したよ・・・」
 爆炎に包まれる寸前、『ターゲット』に対して『彼』は返信する。
 「そうかい!安心したかい!じゃあ、貴様は死にな!」
 爆炎が巻き起こる・・・
 「無駄なことを・・・」

 『戦闘システム、第3段階に移行します』

 爆炎の中から出てきたのは・・・
 無傷のデスハウンド、死神の猟犬と呼ばれるAC。
 「な、なに!」
 「無駄だ・・・」
 左手に『月光』が光る。
 「く、くそお!」
 ターゲットもブレードを構える。
 俺は無言で急速接近し、左手を振り下ろす。
 ターゲットも対抗してブレードを振り上げる。

 手応えはなかった・・・

 何の手応えも、感触もなく、
 ターゲットのブレードごとコアの一部と左肩を完全に吹き飛ばす。
 「ぐあああ!」
 「ほう・・・」
 続けて右足を吹き飛ばす。
 「た、助けて・・・くれ、やめて・・・くれ」
 強化人間となり、切り捨てたはずの感情、恐怖が奴に沸き起こってくるのが分かる。
 聞こえていた、『ジオ』には。
 しかし聞こえなかった、『オルフェラウス』には。
 『バーングリフィス』には。



 「予想以上ね、まさか新型の強化人間を数十秒で倒すなんて・・・」
 「当然だ・・・『彼』は、『奴』などとは違う次元の存在だよ」
 「全てを捨ててでも勝つことを夢見ていたのに・・・彼もカワイソウだね」
 「そうかなぁ?勝った後どうするかを考えていなければ逆に不幸だと思うよ?」
 「そう、ね、偉いわよ、よくそこに気付いた」
 「私偉い?偉い?」
 「そうだな、偉いぞ、イリア」
 「あははっ、嬉しい、あ、何か変化があったみたいだよ」



 「ひいいぃぃぃ・・・」
 ターゲットの声が小さくなってゆく。
 死を覚悟したのだろうか・・・
 ズン!
 コアを突き刺していたのは、彼のブレード、限りなく無垢で透明に光る、彼の月光・・・
 「戦闘システム強制解除」

 そして『彼』は『ジオ』に戻る、
 彼は覚えている、全てを、自分が自分でなくなっているときの感覚・・・
 急激な脱力感に襲われ、意識がブラックアウトしてゆくのを彼も感じた。
 意識を失う寸前に彼が最後に見た物・・・
 開いてゆくコアのハッチ・・・
 そしてそのまま意識は無くなった。



 意識が戻った時、彼はリグの助手席に乗っていた、丁寧にシートベルトで固定されている。
 「気がついたか?」
 「ラグ・・・」
 運転していたのは彼等のマネージャー、ラグだった。
 「いきなり飛び出していったと聞いて、あそこに行ってみりゃあ・・・あの状態だ
  あの力は使ってはいけない禁忌の力だ、前にも言っただろ?」
 少なくとも今は、と付け足したのをジオは聞き取れなかった。
 「帰るぞ」
 「・・・」
 「もう一眠りしておけ、何かあったら起こしてやるから」
 「・・・わかった、頼む」
 そして彼は眼を閉じた。
第3話 完


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後書き代わりの座談会

ジオ「第3話〜、今回は強さの理由、ですね」
ノア「あれ?前中後編でやるんじゃなかったっけ?」
ジオ「それは禁句だよ」
ルシード「行き当たりばったりか」
カリナ「行き倒れバッタリ寸前よりましよ」
ミリアム「ハイ、そこで笑いをとろうとしない」
ジオ「ま、なんにせよ、この辺でストーリーを急速に展開させる予定だから」
カリナ「本格的始動とかこの前言ってなかったっけ?」
ルシード「そういえば・・・」
ジオ「急速展開と始動は違うぞ」
ミリアム「戦術講習会みたいね」
カリナ「そういえばアセンブルに個性が無いとか言われたそうじゃない」
ジオ「否定は不可能だろ?実際全員月光剣つけちゃったんだし」
ノア「ま、それについてもおいおい書いてくれ、ナイスな奴を」
ジオ「こじつけ臭くなりそう・・・」
ルシード「まあ、絵と同じで書いてくうちに上手くなるだろ」
ジオ「そうかなぁ・・・でも何年も絵を書いてても上手くならなかったけど、俺」
ミリアム「それは才能っていうより個性が出せないんでしょ?人毎の」
カリナ「そうねぇ・・・」
ジオ「長くなってきたしここらで終了しないか?」
ノア「そうしよっか」
ジオ「それでは次回も出来るだけ頑張りますんで、応援よろしくお願いします」
全員「よろしくお願いしま〜す!」