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マイトン島

1993年だったと思う。「海と島の旅」という私の愛読雑誌に、アンダマン海に
浮かぶ小さな離島、「マイトン島」の特集が組まれていた。
そこには日系企業が建てたゴージャスな白亜のエントランスと、可愛らしいコテージ
が写っていた。
私にとってそれらよりもずっと重要なファクターである「ビーチ」に関しては、

「モルディヴを思わせるような真っ白でさらさらのパウダーサンドビーチ」

みたいなことが書かれていた。
何ページにも渡って美しい海の写真が載っているのを見て、もちろん私は
「ここに行くしかないっ!」(いつものパターン・・・)
と決意。

大学を卒業してすぐに勤めた会社(私は転職していたが)の元同僚を誘い、1994年
の4月に成田を飛び立った。
プーケット島についてから1時間以上はバンに揺られ、ようやく港に到着。
そこから船に乗り換えて数十分で、目的地マイトン島が見えてきた。
・・・とは言っても陽はすでにとっぷりと暮れていたため、見えたのはメインエントランス
の白く背の高い柱の数々。
たまたま一緒になった同年代の日本人の女の子達と4人で思わず、

「きゃ〜〜〜〜〜バブってるううううう!!」

と叫ぶ叫ぶ。
その頃はすでにバブルは崩壊していたのだが、バブル経済真っ只中に建設されたと
思われるホテルは世界に数知れず存在し、その面影をかなり色濃く残したマイトン島
のリゾートに、思わずそのように第一声を発してしまったのだ。

案内されたコテージは広々としていて、寝室とは別にリビングやキッチンまである。
きっとバブル期にコンドミニアムとして売り出したのだろう。
すべてのコテージは一つ一つ別に配置されており、どのコテージからも海が見えると
いう設計。
島は一周徒歩で20〜30分といったところ。
ヤシの木がそこかしこに植えられ、南国リゾート気分を思い切り味わうことができる。

夜が明け、早速楽しみにしていたビーチを見る。

マイトンビーチ
その時の風景  1994年4月

ちょいとちょいと〜いいじゃないの!きれいじゃないの!
とにかく横にながーい島なのだがそこに沿ってずーっと同じように美しいビーチが続いて
いる。
のんびり、まったりするには申し分無いビーチである。

ただ私達の泊まったコテージは、かなりメインロビー(白亜の柱のところ)から離れており、
強い日差しの中ずっと歩くのはちと辛かった。
電話で「トゥクトゥク」という乗り物を呼ぶのだが、なっかなか来てくれないこともあったかな。

さて、友人にはこの島で「ダイビングライセンスを取得する」という大きな目的があった。
事前に東京のダイビングショップで学科をこなし、マイトン島では海洋実習をするという
わけ。
私が一日まったりと過ごしている中、彼女は朝からインストラクターとつきっきりで実習
させられていたため、ずい分ハードな旅になってしまったようだ。

しかし3・4日後には彼女も晴れてダイバーの仲間入りとなり、いざファンダイビングへ!
マイトン島の近くには良いポイントが無いらしく、ラピ島とかいう離島までボートを飛ばす。
グランドケイマンモルディヴ などと比べてしまうと、ダイナミックさには欠けるし大物にも
出会うことはできなかった。
しかしバディがなんといってもCカードとりたての友人だったので無理は禁物だし、可愛い
お魚ちゃん達とたわむれることもできたし、何よりボートの上での昼食のサンドイッチの
おいしかったこと!
私は十分満足であった。

夕方になると、来るときに知り合った女の子達と何時間もバーで飲みまくり、お酒に強くは
無い私は、生まれて初めて「海外旅行先での二日酔い」を経験する。
同年代の女の子が4人も集まり、しかも全員彼氏ナシとくれば、話題がとぎれるわけは
ない。
楽しい楽しい宴は毎晩続いた。
日本に帰ってからも、月に2回は渋谷あたりで集まって飲むほど仲良くなったわけである。

マイトン島のスタッフには日本人女性もいて、美貌の持ち主の彼女はプーケット本島の
オススメ食堂を教えてくれた。
船でプーケット島に遊びに行き、彼女の教えてくれたタイ料理屋へ。
日本語が通じないため、彼女はわざわざ紙にタイ語でオススメメニューを書いておいて
くれた。
それを差し出し全部作ってもらう。

「・・・・・・・・お、おいしい・・・・・・!」

これこそ本場のタイ料理!なのだろう。
都内にもタイ料理屋はたくさんあったが、日本での味とは全然違う。
スパイスがたくさん入っていて辛いのだが、辛いといっても無意味に辛いのではない。
スパイスの味を殺さない、程よい味付けなのだ。
あんなにおいしいタイ料理は、後にも先にも食べたことは無い。
マイトン島への帰りの時間までの間、ひたすら食べまくった私達である。

美しいビーチと豪華な施設で楽しい一週間を過ごさせてくれた島、マイトン。
いつか、また行きたい!