ガレージシャンソン歌手
山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』 其の九拾参 〜薄灯り〜
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熱帯夜のカルナバル。
夜の帳が降りる頃、オレンジ色の薄灯りに群がる群衆。 真夏の夜の夢は光と闇の狭間で描き出される。 眩し過ぎちゃ、駄目なんだ。 夜のディズニーランド。 入り組んだ通りのアドベンチャーランドは霧に煙っている。 つま先なんて見えないのに流れてゆく人の波。 はしゃぐ子供達。 迷子続出。 タイの屋台。 裸電球の陰影。 他に類を見ない旨さの焼きそばを頬張りながら、 トラベラー達は夢を見続けている。 足元にまとわりつく、踏まれても動じない野良犬達。 スリ続出。 ハイウェイを滑る夜行バス。 消灯前の仄かな車内灯。 ブックライトを頼りに読み耽るSM小説。 タイヤの音がカーヴに吸い込まれてゆく。 妄想続出。 その昔、中村義人(横道坊主)と山田晃士のキャンプサイトは、 それぞれの道具自慢によってコンビニ並に眩しかった。 真夏の夜の夢など見られる訳が無かった。 眩し過ぎちゃ、駄目なんだ。 |
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