ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の八拾五
ノーパンブルース




'08.10.29 FRIDAYマスターと

その日誰に逢う約束も無い、外出する用事も無い、一日 中おうちに居られる、
そんな時、私は部屋着の下には何も着けない。
ノーパンだ。楽チンだ。

今年の3月から毎日欠かさずに日記をつけていたが、
9月中旬からブログを始める事になり書くのを辞めた。
同じようなモノだと思ったから。
でも、まるで違った。
当たり前だがブログというのは人に読まれる事を前提に 書いている。
舞台上とは違う“素”の私を見て下さい、と言いながら も決してノーパンじゃない。
恰好良いパンツを選んでるんだ。
人の目に晒す事の出来る日常をすくい取って切り売りし てるんだ。

個人的な日記は違う。
誰にも見せられない。ノーパンだ。
正負構わず、一糸まとわぬ自分が凝縮している。
読み返してみれば自己嫌悪…。
ノーパンブルースだ。

人は心許した相手とならノーパンになれる時がある。
素敵だ。

誰の前でもノーパンになる事は難しい。
1人きりの休日と訳が違う。

よく私は公演中に“心のパンツを脱ぎたまえ!”と宣っ たりするのだが、
何を隠そう私自身が、LIVEという限られた時間の中 で、
皆と許しあい、その刹那、一糸まとわぬ心になれた夜、
“嗚呼、唄うたいで良かった”と心底思えるのである。
素敵に恥をかきたいだけなんだ。

そういった公演があと何回できるかな。

今日はこれから打ち合わせ。
さあ、パンツをはかなくちゃ。


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