ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の八拾
何かが完結





小学生の頃、莫大な量の”カード”を集め ていた。
仮面ライダー、ウルトラマン、ロボコン、キカイダー、ゴレンジャー…等々。
中には燃えよドラゴンなんてのもあったっけ。
駄菓子屋で10円で売ってた。1袋に2枚入ってた。
ラッキーカードが出るとアルバムがもらえる。
カードを格好良く収納出来る。
これが目的だった。
アルバムを手に入れる為にかなり散財したなあ。
おこずかいの殆どがカードに化けた。
ラッキーカードが出た時の嬉しさといったら!
家に帰り沢山のカードをアルバムに入れる。
ふふふふふふ…。満足満足。
そこがピークであった。
だがしかし、その後アルバムを見返す事はあまり無かった。
収納する時点で何かが完結していたのだ。


20代〜30代にかけてフィギュアにはまった時期がある。
ショップに並んでいるキャラクター達、
ナイトメアクリスマスの登場人物、KISSのメンバーや様々なミュージシャン達、
石ノ森章太郎作のヒーロー群、ハリウッド映画の主人公…等々。
立派な大人の私の胸は少年のごとくときめいた。
お人形と言えど結構なお値段。
まったくもっての無駄遣い、でも我慢出来ずに買っちゃう。
そして部屋のフィギュアが一体増える毎にディスプレイをやり直す。
これが愉しかった。
どの配置にしようか。コイツを前にしようか。それともアイツか。
あれこれ真剣に悩む。よし!決まった。
ふふふふふふ…。満足満足。
そこがピークである。

並べてしまえば手に取る事も滅多に無い。
時折ホコリをはらうくらいだ。
ディスプレイする時点で何かが完結していたのである。

現在私の部屋は
聴いていないCD・観ていないDVD・読んでいな書物で溢れ返っている。
聴きたくて、観たくて、読みたくて買って来たモノ、モノ、モノ。
あ〜こんなのもあったんだなあ…。
これじゃマズイと思い立ち、先日それらをまとめ未開封資料棚を設けた。
よし、バッチリ。このコーナーのモノ至急要チェック!
ふふふふふふ…。
おっと、やばい、やばい。満足しちゃいかん。

そして私は今日も気になるマンガを全巻オトナ買いして来た所だ。

さて、何から手をつければよいやら。
ふわぁぁぁ、欠伸。
もう寝よう。
 
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