ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の七拾五
〜新年は芝居小屋から





二〇〇八年。
平成二十年。
昭和生まれの未成年者がいなくなる。
恐ろしい。
過去の遺物とならぬ様、細心の注意を祓わなければ。
まばたきしている間に星に変わってしまうから。

さて新年の幕開け、
私の舞台はライブハウスではなく芝居小屋から始まった。
二年前の秋にガレージシャンソンショーとして出演したお芝居、
『URASUJI』再演の為だ。
一月三日〜六日にかけて七公演、下北沢スズナリで上演。
二日は舞台稽古。
ハッキリ言って正月気分のカケラもありゃしない。
現在活動休止中のガレシャン、期間限定のプチ再始動である。
相方のアコルデオン弾き佐藤芳明と一年半振りの共演。
面白いなあ、不思議だなあ、まるでブランクを感じない。
つい昨日もライブがあったみたいな気分だ。
自分でも驚く程に自然な再始動であった。
まあ、期間限定だしね。
公演中は役者さん達の“鬼”ともいえる魂に触れ、
ストイックさにうちひしがれ、
舞台上のみならず舞台裏も刺激的な空気に溢れた素敵な新年であっ た。感謝。

そのテンションのまま新セッション、
“山田晃士&流浪の朝謡”のレコーディングに突入。
早いし、気持ちいいし、言う事無し。
勢いのあるガッツリしたテイクが録れた。
シングル『あんたのスウィング』が完成。
それを引っさげて旅公演へと出発!
二月には単独公演。
いつもスロースターターな私だが、今年は年頭から漲っているぞ。
だって二〇〇八年。
まばたきしている間に星に変わってしまうから。
 
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