ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の七拾壱
〜無邪気な子供達





先日、日帰り温泉へ行った時の事。
連休中のせいか、やたらめったらお子様が多かった。
基本的に子供は嫌いじゃない。
その無邪気さを見ていると微笑ましくもなる。
但し、何事も程度が大切だ。
その日私はひとり静かにゆっくりと風呂に浸かりたかった。
のんびりしたかった。
だがしかし…
水風呂は少年達のプールと化し、
打たせ湯ではガマン大会が繰り広げられ、
寝湯ではくすぐり合いに身をよじらせ、
露天風呂は公園宛らであった。
やれやれ、今日はゆっくり出来そうにないな…。
浴室から上がろうとした私の目に奇怪な光景が飛び込んで来た。
洗い場を走って行く4才位の男の子からポトリと何かが落ちた。
黒っぽい小指大の物体。
嫌な予感…。
わたしはそそくさと脱衣場へ。
しばらくして浴室内から子供達の絶叫が響いてきた。

しばらく公衆浴場へは行く気になれない。

<<back
next>>