ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の六拾参
〜夢のあとさき



ツアー先の安ホテ ルの部屋。
知らぬ土地、あての無い散策。
移動中、過ぎ去る景色。
楽器車での沈黙。
バックステージの憂鬱。

”ナニヲシテイルノダロウ?”
”ドウシテココニイルノダロウ?”

舞台に上がる。
その理由がハッキリと分かる。
私は私を知る。

舞台がはねる。
そこに居た様に、そこから消えたくなる。
私は私を見失う。

夢のあとさき。

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