ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の参

〜此処は楽屋かスナックか〜
 

 

その昔、私が『ひまわり』という曲を唄っていた頃、FM岩手の公録ライヴに呼ばれた事がある。
前乗りで現地入り、するとメンバーの一人が
「ここは俺の地元。今夜はもう店も押さえてあるぜ!」
中に入るとお姉ちゃんが5、6人。食べ物もズラ〜ッ。
しかも貸しきりで飲み放題だという。岩手某スナックでの宴。
次の日、午前中から取材が入っていた私とスタッフは2:00AM頃には宿へ。
「じゃあね晃士、おやすみ〜」
とメンバー御一行は完ペキに上機嫌。不安...。
次の日、楽屋では床の上に大の字になるメンバー達の姿が。トホホ...。聞けば宴終了は7:00AMだったとの事。
さあ、いざ本番!当たり前だがそこはプロ、演奏の方はピシッと決めて頂いた。
終演後、一通り関係者に挨拶を済ませ、楽屋に戻るとそこには!昨夜のお姉ちゃん達が勢揃い!
差し入れてくれたビールでメンバーは早くもいい塩梅であった。しかも、メンバーそれぞれ決まったパートナーがいる様だ。う〜ん、羨ましい...。
お姉ちゃん達は帰りの新幹線ホームまで見送ってくれた。岩手美人は情に厚い。最後には涙をこぼす始末。
おい、メンバーよ、お前ら一体何を言ったんだ?

1ヶ月後、事務所の判断でこのバックバンドは解散となった...。

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