ガレージシャンソン歌手山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の弐拾八

〜ビーム放出〜

人間や はり見た目が重要。
中身が良ければ外見なんて...というのは嘘っぱちである。
外に向かいビームを放出していなくてはいかんのだ。
先日とある撮影の仕事で一泊二日のロケに出かけた。
ヘアメイク、スタイリスト、カメラマン、
すべて一流のスタッフばかり。 う〜ん、プロフェッショナル...。
三国一のお調子者と化した私は、
改めて”イメージ”の重要さを実感したのであった。
スタイリストが持ってきてくれたずら〜っと並んだ衣装たち。
うわあ、カッコ良い〜!全部着たいなあ。
とっかえひっかえ着させてもらったのだが、
良い服というのはやはり”何か”ある。
袖を通した瞬間に確実に世界が変わるのだ。
いいモノを身につけるってこういう事なんだ...。
二日目、私は軽い気持で
「この服いくらなの?」とスタイリストに聞いてみた。
ちなみにその時着ていたのはディオールのスーツ。
お下劣の一歩手前で踏み止まるド派手さが最高だ。
「上下で40万位です」との返答。
それ以降私の動きがぎこちなくなったのは言う迄もない。
昨日は何も知らずに暴れまくっていたクセに。
ビームの放出量も少なくなってしまった...。
我ながらちょろいなあ。
まだまだ私には着こなせないシロモノであった。
う〜ん、精進精進。
では、御機嫌よう。

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