ガレージシャンソン歌手山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の弐拾七

〜人類最後の宗教『健康』〜


昨年末私は舞台の上で連日連夜声を張り上げていた。
十二月二十ニ日〜大晦日の間に六本もの公演。
その内ワンマンが三本。
体力的にも厳しかったが何と言っても”脳”が疲れた。
しかもクリスマス辺りに風邪をこじらせ発熱。
薬漬けの生活。
記憶が定かではない。
大晦日は公演後ぼーっとしたアタマで帰宅。
ひとり東横線の中で新年を迎えた。おめでとう。
電車を降り駅からの帰り道
シルクハットにステッキの病人は
初詣にいそいそと出かける晴れ着のおじょうさんを横目 に
自動販売機のコーンスープで腹ごしらえ。
虚しいのう...。
全くもって唄うたい冥利に尽きる年末であった。
元旦はFM富士で生演奏。
その後もイベント出演やらTFMの公開生放送やら
表現者として身に余るシアワセ。
唄える場所があるというのはかけがえのない喜びでもあ る。
ただ自己管理がなっておらず体調は最悪に。
今この原稿を書いている私は三十八度四分の高熱にうな されている。
昨夜は夢の中にセルジュゲンズブールと越路吹雪が登 場。
ちょっと待ってくれまだまだそちら側に行くつもりはあ りませぬ。
今年は人類最後の宗教『健康』に
しっかり気を配りたいと思う私なのであった。
何はともあれ身体が資本なのだから。
では医者に行ってきます。
御機嫌よう


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