ガレージシャンソン歌手山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の拾

〜さあ、見つめよう!〜

私は幼い頃から視力が弱い。
両眼とも0・1有るか無いか、しかも乱視である。
その上かなりのガチャ目で、遠くを見るのは右、近くを見るの は左といった塩梅。
生まれつきの事なので特に不便は感じていないし、まあこうい うものなのだと思う様にしている。
コンタクトも付けない、眼鏡も滅多にかけない。私の世界はも やの中。う〜ん、全ては美しい...。

そんな私がその昔”沈黙の詩人”マルセルマルソーの公 演を観に行った時の事、
その一時間強にわたるパフォーマンスに場内は拍手&喝采の 嵐、感動の渦であった。
そう、私一人を除いて...。
舞台上でもぞもぞと動いている老人に一体何が起きていたとい うのか?
知る由も無い。
やはりパントマイムはテレビが一番だ。

気を取り直してディズニーランドへGO!
まだ大して白くなかった頃のマイケル主演『キャプテンEO』 に入場。
左右のレンズが赤と青の”3Dメガネ”が配られた。
その十五分弱にわたるムービーに場内はハラハラ&ドキドキの 嵐、絶叫の渦であった。
そう私一人を除いて...。
どうして皆そんなにのけぞったりかがんだりするんだ?
2Dのままのガチャ目には知る由も無い。
やはりディズニーランドはホーンテッドマンションが一番だ。
セイフティーバーは私が上げる...。
では、御機嫌よう...。
 

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