水軒駅見学(その2)

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駅名表 水軒駅の駅名表です。昔は現在も各駅に取り付けられているような標準的なタイプの駅名表でしたが、ワンマン運転開始前後からこの様な適当な作りになってます。もとからある枠に、水軒と書いた正方形の板を張り付けただけです。1日2列車しかない路線にはこの程度で十分ということでしょう。この1年で南海線ではいろいろな駅で駅名表が交換されましたが、水軒もこれにあわせたのでしょう。

水軒駅キロポスト 水軒駅のキロポストです。なんばからここまで約70km。遠い遠い道のりです。まあ実際にはなんば発水軒行の列車は存在しませんが。

水軒駅出入り口付近 階段付近も昔は木造でした。今ではコンクリートで作られた、本当にプレハブ駅としか思えないようになっています。駅の長さは2両編成の列車がギリギリ止まれるほどで、20m級車輌が入ってくると本当に端から端まで使います。

 水軒行列車は6分間ほどの停車の後折り返しますが、この日折り返し列車に乗っていったのはほんの2〜3人です。しかもその内の半分は鉄道マニアと思われます。毎日この様な調子では、廃止になるのも当然のことですね。ただこういうものは、廃止になるとどっと人が来るものなのですが、水軒駅も例外なくこれに当てはまるのかどうかは微妙です。まあ水軒駅は日本一列車の少ない駅として有名であるので、廃止の日は賑わうことでしょう。

トイレに見えないトイレ これは倉庫のように見えますが、実はトイレです。入り口は左側にあります。側壁には水軒駅列車時刻表や、南海線の旅客運賃表などが書かれてあります。

 この写真では見えないと思いますが、中央上が時刻表となっています。1日2本、平日用と休日用をあわせて計4本が書かれているのみとなっています。一応5時から22時まで表が作ってありますが、9時台と15時台以外は空白です。

 左が運賃表で、南海線主要駅と、運賃が切り替わる駅のみ表記されています。右下には切符購入の際の注意(手回り品などについて)があります。これは各駅にあるものと同じやつで、比較的きれいで新しく設置されたものと思われます。

水軒駅全景 水軒駅の全体写真です。本当に柵とホームだけといったような感じです。屋根すらありません。ワンマン運転の開始にあわせて、この駅にも写真左に見えるミラーが取り付けられました。また、1997年頃に駅の大改修をおこない、コンクリートで作られた味気ない駅になってしまいました。このときに木造のイスも撤去されました。駅構内には貨物列車用として作られた線が2本ほどありますが、ほとんど使用されませんでした。最近では貴志川線1201形の解体作業があったのみです。ちなみにこのとき側線の架線は全て撤去されました。中線には今でも架線が張られておらず、一番手前側の線には一応架線が張られていますが、ポイント部分には架線がありません。線路は当然錆びついています。枕木やバラストもスカスカになっていたりと、列車が通る部分以外は悲惨な状況になっています。

 水軒駅の廃止は、この列車を運転していた運転士の情報によると5月末とのことです。その時には大勢の鉄道ファンがこの駅の最期を見届けにやってくることでしょう。

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