水軒駅見学

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 2002年3月13日、鉄道研究同好会(現鉄道研究部)は廃止の決まった水軒駅を調査しにいきました。水軒行きは1日2本しか無いのですが、今回はその内の1本目である和歌山市9時17分発の普通列車を利用しました。この日はとても天気がよく、少し暑く感じるほどでした。

中間改札 ワンマン運転になってから、和歌山市駅には中間改札が設置されています。というのは、久保町・築地橋・築港町・水軒の4駅は無人駅でありながら、運転士は集札業務を行なわない(設備が無く、乗客が非常に少ないのが理由)ので、キセル乗車をされてしまう危険性があるからです。これと同じ中間改札が同じ和歌山市駅の2番線(JR紀勢線和歌山行ホーム)にも設置されています。

 この中間改札では、必要運賃のある切符はそのまま通ることが出来ます。しかしスルッとKANSAIカードの場合、写真中央にある乗り継ぎ精算機で精算して、精算券で入場します。また運賃不足の切符の場合もここで精算します。

 逆に、水軒方面の無人駅からやってきてスルッとKANSAIカードを使いたい場合は、ここにある乗車駅証明書を取って、スルッとKANSAIカードと一緒に通します。

列車到着(ホームの陰になってしまってます) 7番線に水軒行の普通列車が到着です。車輌は2203Fでした。上り方先頭車である2203には珍しく貫通幌が取り付けられていました。運転士は「合理化反対」のワッペンをつけていました。

 この日は部員及び顧問の先生の他に、鉄道マニアと思われる小学生くらいの人が2人と、一般乗客が3〜4人がこの列車に乗車し、水軒まで行きました。水軒行に10人以上が乗車するのはかなり珍しいことです。普段は鉄道マニアか釣り人を中心に乗客が2〜3人ほどで、ほとんど空気を運んでいるような状態です。

和歌山港を出て坂を下った風景 和歌山港駅を出て、坂を下りきったところです。この辺りは緩やかなカーブが続きます。枕木は当然木製で、整備状態も最悪と言っていいくらいです。線路わきには空き缶やビニール袋だけでなく、自転車などが捨てられていたりもします。線路わきに柵はないので、自由に出入りすることが出来ます。途中には個人が勝手に作ったと思われる踏切のようなものもありました。

 和歌山港〜水軒間は最高時速55km程度ですが、整備状態が悪いせいかレールのジョイント音がかなり大きかったです。またバラストの量は少なめで、枕木の半分が埋まっていないところもありました。よくこんなので電車が通れるものです。

廃止の原因となった踏切 いよいよ問題の踏切にさしかかります。写真からは分かりづらいと思いますが、両側に数台の自動車が踏み切り待ちをしています。1日に4回しか降りることのないこの踏切は、整備状態がかなり悪く、踏み板などはガタガタです。しかし交通量が多いので、渋滞がよく発生します。また大型トラックも頻繁に通行します。列車は時速50kmほどでこの踏切を通過しました。ちなみに和歌山港〜水軒間には踏切はこれ1つしかありません。

 ちなみに和歌山港〜水軒間の架線の支持方式はシンプルカテナリー方式になっています。和歌山市〜和歌山港間は本線系列の列車が通るためコンパウンドカテナリー方式になってますが、1日2往復しか通らないこの路線にはシンプルカテナリーで十分ということなのでしょう。

水軒に到着 ちょっときつめの右カーブが終わると、まもなく水軒に到着です。水軒駅にはちゃんと場内信号機があります。1日に2回しか青を現示しない信号機です。

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