JR103系0番台常磐線色

 中央線などの比較的駅間距離の長い路線用につくられた国鉄初の新性能電車101系は、山手線などの駅間距離の短い線区にはあわないため、101系より加速性能を上げたこの103系がつくられました。新造された車輌は3447両、他形式からの改造車を含めると実に3503両にもなり、「団塊の車輌」と呼ばれています。

 関東地区では山手線を始め京浜東北線や中央・総武緩行線、常磐線などに投入され、山手線から埼京線に大量に転属したりもしました。しかし度重なる新形式車輌への置き換えによって、関東地区で現在走っているのは5大路線では常磐線のみです。そのほかでも京葉線や武蔵野線、南武線などで走っていますが車体はボロボロで各線とも置き換えが計画されており、長かった103系の首都圏での活躍もそろそろおしまいのようです。

 常磐線は15両という通勤車最長の編成を組むため、基本10両編成の他に付属5両編成が配属されています。車体色はラインカラーであるエメラルドグリーン(青緑1号)ですが、これがなかなか綺麗です。常磐線では低運転台と高運転台、それに貫通型の1000番台が走っています。

製造初年:1963年(昭和38年) 制御方式:抵抗制御

JR103系0番台南武線色

 こちらは南武線用の103系です。カナリア一色の6両編成です。南武線103系時代の後期は全ての103系が高運転台のATC対応車に揃えられており、妻窓の埋め込み、前面運転台窓の金属押さえ化、転落防止幌の取り付けがほぼ全編成に施され、統一感がありました。

 以前は6連×15編成の計90両が所属していましたが、山手線からの205系の転属により徐々にその数を減らし、2003年末には5編成まで減少しました。今後も山手線からの転属は続けられ、早ければ2004年度初頭にも全車廃車となる見込みです。


JR103系1000番台常磐線色

 こちらは貫通型先頭車の1000番台です。昔は常磐線各駅停車(地下鉄千代田線直通)用に1000番台が用いられていましたが、その役目を203系に譲った後は基本番台に組み込まれ常磐線快速として走っています。

 貫通型といっても地下線乗り入れのために取り付けられたもので、2編成併結などの際の通り抜けなどは一切考慮されていません。単に地下線乗り入れのための基準を満たすためにつけられたもののようです。

 常磐線では取手以南の常磐快速用として活躍を続けていた103系ですが、E231系の同線進出により徐々に廃車が進められています。103系の活躍を見られるのも今の内ですので、気になる方はお早めにどうぞ。

戻る